※だいたい情事後




授業が空いた時間、吹雪の部屋で逢瀬をしていた。普段、十代たちと行動を共にしない時はこうしているのが日課。
なんやかんや隣にくっついていれば触れたくなるのが男の性。吹雪はそのままなまえをソファに押し倒し、流されるがままに始まった。


気だるさが残る中、ベッドで2人シーツにくるまっている。

「うう…なんで今するんですか」
「仕方ないよ、なまえがかわいいから」
「吹雪先輩、もう少し我慢してください!」
「我慢?してるじゃないか!僕はいつでも君とくっついていたいのに!」

ぎゅう、と抱きしめる吹雪の腕の力は強く、なまえは逃げだそうにも逃げ出せない。まだ互いに服を着ていないので露出部分が触れるのが恥ずかしい。

「恥ずかしい、ですー!!」
「さっきはもっと…」
「それはそれ!」
「ええー」

そんなことを言っても吹雪は離してくれず、恥ずかしながらもそのまま腕におさまる。


「ねえ」

なまえの頭を撫でてなだめる吹雪は低い声で呼ぶ。なまえは吹雪の方を向き、視線を合わせた。

「なんで敬語止めてくれないの?」
「う、えええ?」
「こうしてエッチするときでさえ敬語で、先輩って呼ばれるのは寂しいなぁ」
「エッ…!先輩!」
「ほらまた」

唇に人差し指を当てられ、そのままなぞられる。色っぽく瞳を半分閉じた顔が近づき…

「なまえはそんなに僕をいじめたいんだね」
「ちが、います…」
「嘘つき」

ちゅ、と唇を啄まれ咄嗟に瞳を閉じた。音を立てて合わせる唇に堅く瞳を閉じながらそれを受ける。

「僕の名前、呼んでよ」

ちゅ、ちゅ、と止まることない唇を合わせる行為になまえは目を開けることが出来ない。
自身を抱き締めている吹雪の腕に触れながら、口付けの合間に開いた。

「ふ、吹雪…せんぱい」
「先輩はいらない」
「ふぶき、さん」
「…んー、それもいいなあ。でもダメ」
「うう」
「ほら言ってみなよ」


僕しか聞いてないんだから。

向かい合わせにいる2人、なまえがちらりと吹雪を見て視線を逸らす。顔を赤くしている彼女をみて吹雪は笑みがこぼれるのを押さえられない。

「…、き」
「ん?」
「ふぶき」
「…もう一回」
「ふぶき」
「………うん、ありがと。なまえ」


なまえの頭を抱えるように抱き締めた。
恥ずかしがりながら、目をきつく瞑ったまま、顔を赤くして自身の名を呟いた可愛らしい彼女に衝動が止まらない。

「せんぱ…っ」
「何だい?」
「あ、たって、ます」
「うん。なまえがかわいくて」
「!?」
「ね、」

もう一回だけ。
舌を絡ませながらの口付けと、シーツに縫いつけられた腕に再び吹雪からの愛を頂戴するのであった。

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数時間?前の話。
初出:12.11.21.


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