※十代同い年ヒロイン 十代らは吹雪となまえが二人で歩いているところを発見した。 十代が声をかけようとしたが明日香が慌ててそれを止める。ちょっと見ててみましょう、という明日香の意見に一行は二人に見つからない位置に移動した。 吹雪がなまえの手を取り誘導し、なまえは俯きながら隣を歩いていた。ちなみに吹雪はそんななまえをみていつも以上の笑顔を向けている。 最も、なまえは俯いていて気付いているわけがないのだが。 なまえがいつもと違う様子なのにいち早く気付いたのは明日香。 確かに兄といてよく恥ずかしがっているがこんなにも恥ずかしがっていただろうか。目を見て楽しそうに笑って、幸せそうな空気を振りまいていたことを見たことがあった。 なのに今、なまえはいつも以上に恥ずかしがっている?しかも兄はとても嬉しそうな笑顔でなまえをみている。 うーん、と考えているとしびれを切らした十代が二人に声をかけてしまった。 「おーい!吹雪さーん、なまえー」 「あっ 十代!」 「なんだよ、いいじゃねえか」 私たちに気付いた二人はそれぞれの反応を示した。吹雪はいつもの笑顔でなまえと繋いでいない方の手を振っている。 一方、なまえの方はこちらに気付くと顔を真っ赤にして、口をぱくぱくと空気を求めた魚のように動かす。ぷいっと此方から視線を外し、吹雪と繋いでいない手で顔を覆った。そんななまえを吹雪は此方に振っていた手で撫でた。 …兄さん、それは逆効果だと思うわ。 恐らく先ほどの授業の空き時間に逢瀬をしていたのだ。その流れで兄に抱かれ、恥ずかしさで兄と顔を合わせることも出来ない。 しかも情事後、私達にはそれ以上に恥ずかしくて仕方がないといったところだろう。 そんな2人のことを感づかない十代たちを引っ張り、明日香はその場を立ち去った。 ―――――――― という第三者視点。 初出:12.11.21. |