※十代同い年ヒロイン




そっと顔が近づいてくる。綺麗な先輩の顔が、そのまま触れて。

「………」

触れて感触を確かめただけの口付けに―――初めての体験に身体が動かない。離れた唇、静かに瞳を開けば優しい眼差しで私をみていた先輩に急に愛しさが込み上げる。

「せん、ぱい」
「ん?」
「私、吹雪先輩のこと、ちゃんと、しっかり、すき…です」

固まったまま、ゆっくり紡いだ私の言葉に先輩は驚きの表情を見せた。しかしそれも一瞬ですぐに優しい表情に戻る。
肩に置かれた手が私の身体を前へと倒し、吹雪先輩に倒れる形で抱き締められる。ぎゅ、と身体に回された腕はあたたかく、優しく頭をなでられれば気持ちよくて。目をつむって受け入れた。


「僕もなまえちゃんのこと、だーいすきだよ」


先輩の声は優しくて、腕の中はあたたかくて、だいすきという気持ちが私の中からどんどん溢れだしてくる。
はじめてのキスは、やさしく先輩が奪っていったのです。

――――――――
吹雪×十代同年代ヒロインちゃんはこんな感じに穏やか。
初出:12.11.16. 加筆修正:12.12.24.


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