ガレージに来た日には必ずと言っていいほど夕飯を作っていく。食料も持って行ってやる。
変わりに愛車(Dホイール)の点検をしてもらうのを条件として。

「はーい、どうぞ」
「「いただきまーす!」」
「いただきます」
「いただこう」

アキと龍可、龍亞は夜遅くになるので家に帰った。私は一人暮らしだし、ここからDホイールで帰れば早いから問題ない。
いざとなれば泊まっていくし。


「あーっ もうクロウ!ちゃんと一口30回噛めって言ってるでしょ!」
「あでっ」
「食材少ないくせして、あんたたち食べる量が多いんだから!もっと大切に食べてよ」
「悪い…」

好意でやっていること(食料のお金は私持ち)だが、ぞんざいに扱われるのは気分が悪くなる。もっとこう、やっぱり大切に食べてもらえれば嬉しいのだ。

「でもなまえのメシ、美味いからよー」
「どんどん食べたくなっちゃうよね」
「おお!」

“美味しい”という言葉は作った者にとっては最上級並みに嬉しい。ぞんざいに扱われるようなことがあっても…。
クロウとブルーノがニコニコしながら食べる姿を見て、まあいいか、と私も食べ始める。

「なまえ、おかわり」
「ジャック…あなたね」
「なんだ。俺はしっかり30回噛んで食べている」
「あーはいはい。でもだめ、もう無いから」
「何っ!?」
「私のご飯少し分けたげるからそれで我慢ね」

ちょこっとジャックに分けてあげれば満足したのか、ふん、として食べ始める。かわいくないな、あげたのに。と思ったが許してやろう。
遊星は大人しく食べるよなあ。しかも一口30回、ちゃんと噛んでるし。えらいえらい。

「なまえ、俺の分食べるか?」
「えっ 何で?いいよ」
「ジャックにやって減っただろう」
「あー、大丈夫」

あとでブルーノとお酒飲んでお腹膨らませるから。
そう言った私に遊星は「また酒を飲むのか!」と怒鳴って立ち上がった。遊星に酒関係で怒られるのは日常茶飯事である。

「ブルーノもなまえに構うな!」
「止めてよ、唯一の酒飲み仲間なんだから!」
「心配しなくても大丈夫だよ、僕もなまえもお酒に強いから」
「違う!飲酒運転だ!」
「え、だから泊まってくって」

遊星がブルーノに不満そうに顔を向ける。相手をするな、頼むからと訴えているのが私にも分かる…。

「ちゃっかり泊まってくなよ」
「いいじゃない、ソファくらい」
「なんなら俺の部屋に来るか?」
「ベッド占領していいなら!」
「「ジャック!」」
「あ、ははは…」

お酒を飲んだ日は泊まっていく。今日も泊まることになりそうです。
ジャックの部屋?遊星とクロウに悉く却下されたのでいつも通りソファお借りしました。

初出:12.12.13.


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