「はあー酒酒」

仕事終わりにこのガレージへ足を運ぶのはもう慣れっこになった。冷蔵庫には私の買ったアルコールが数缶。
遊星、クロウは飲めないだろうけど、ジャックは飲んでるのかな。いや、節約しててアルコールは無理か。私ばかりじゃ可哀想なので時々あげてるくらいだ。それ以外で見たことはない。

「あーっ なまえ姉ちゃん、お酒ー」

おっと、龍亞に龍可、こども達がいたのに気付かなかった。気付いたところで飲まないわけはないのだけど。
プシュ、と開けて口に流す。

「なまえ、まだ夕方よ」

酒を飲み始めた私にアキが心配そうに声をかけてきた。
優しい子!でも飲むのは止めない。

「今日は営業終了だからもんだいなーし!」
「Dホイールはどうするのよ!乗ってきたんでしょう?」
「んー 愛車は遊星に修理を頼んでるから」

ちなみに今日はお泊まりする予定。勿論部屋なんてないのでソファをお借りする訳なのだが。
許可?まだとってません。

「…ここにくる度、酒を飲むのはどうかと思うぞ、なまえ」
「そーだそーだ!酒なんて飲みやがって!」
「クロウはお酒飲みたいの?」
「おお!」
「まだ早いなあ、残念!」
「クッソ…」
「遊星も飲みたいの?」
「いや、…家でも飲めるだろう」
「うん、家でも飲んでるけど」

ごきゅごきゅ、と喉に流し込む。思わずプハーっと声を出してしまう。
こどもの前ではできるだけ飲まないようにしてるけど、今日はいいや。

「アル中になるぞ」
「あら、遊星心配してくれてる?」
「それはそうだろう」
「暴力なんか振られちゃたまったもんじゃねえからな〜」
「なんか言った、クロウ?」


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成人済みヒロインなので、お酒ネタが非常に書きやすいです。
初出:12.12.12.


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