優介は必要以上に求める。行動も、気持ちも、身体も、心も。束縛は強いし嫉妬深いしでも表には出さないのだ。こうして見えないところで本性を現す。
そこがかわいくて、受け止めて上げなくちゃって思っている私がいるから直らないし、優介の為にならないと思ってる。だけどそうしないと私は優介の何のために側にいるか、私の価値が見出せないから。私が弱い所為もあるんだ。


「っああ、あ…!」
「ん、ん…ちゅ、…ふ、」

胸やお腹、私の身体のあらゆるところに口づけをしていく。優介はそれが好きらしい。赤ちゃんのように胸にむしゃぶりついたかと思えば、慈しむように唇をはわせるだけだったり。様々に唇で犯されている。
挿入して腰を動かしながら胸に唇を寄せている。懇願するような瞳で見つめられれば、全てを許してしまいたくなる。ダメだと頭ではわかっているのに。
そのまま優介の跳ねた髪に指を絡ませ、軽く頭を抱きしめる。ああお願い、もっと私をあいして。

「もっと欲しい?」
「ん、」
「じゃあ本気になろうかな」

私に被さるように倒れていた身体を起こす。腰を押しつけられて先ほどよりも深く私の中に埋まった優介に、きゅ、と自身が締め付けるのがわかった。
左足を抱えられ、足を広げられる。そのため優介に結合部はダイレクトに丸見えなわけで。まあ何度も身体を合わせているしそこまで恥ずかしさが残ってもいなかったので――ましてや優介なので、そのままだ。じっくり見られるのは嫌だが、優介はあいにく滅多にじっくりは見ないので安心している。
ぐ、と押しつけられた腰に甲高い声が出る。もっと奥まで、なんて言いはしないけど、もっとほしい。だからおねだりの様に空いた右足を優介の腰に絡めた。

「あ、ああ…何?奥がいいの、攻められたいの、それとも激しいのがいい?」

意地悪に腰をゆるゆると動かしながら、つり目を楽しそうに細めて笑う優介の顔に、ドクンと心臓が高鳴った。
――わかってるくせに。

「ん、両方…っ」
「両方?」
「奥とぉ、激しい、のが…いいの!」
「ワガママだなあ」

なまえは。と吐息と共に名を呼ばれる。
優介は腰を掴み、思い切り腰を打ち付けてきた。結合部からのぐちゃぐちゃとした水音と肌と肌が当たる音が激しくなり、一瞬、喉から声が出ずに詰まってしまう。
それほどまでの快楽で、声はあまり出てくれない。

「…!っ…ぅ、ぁ!」
「締め付け、いいな…っ、く、ぅ」

眉を潜めながらも笑みを浮かべたまま腰を打ち続ける。ぐちぐちと粘着質な音もするし声にならない声が宙を舞う。声が出ない口がぱくぱくと動くと、すかさず優介が口を塞ぐ。
柔らかく口内を貪られる感覚に足が震える。下から、上から与えられる快感に自然と涙が流れ出る。それすらも唇に吸い寄せられ、すべてを、優介に向けて。
再び身体を起こした優介は余裕のない顔に変わる。出し入れされるそれに、段々と沸き上がってくる快楽へ、与えられる衝撃が手招きしている。思わずシーツを掴み口にくわえた。
優介もがっちりと私の腰を掴んで強く腰を打ち付ける。くぐもった声が漏れだし、男の声が腰を甘く痺れさせる。


「あ、ああぁ、っあああ!」
「っふ、ぅあ、…、!」
「ああ、うああっ 出る、…ぅ、ぁ、あぁああ!」
「ん、ぁ、はあ、っんんー!」


ゴム越しに吐き出された熱に、未だ私の中でビクつく優介に、息しか出来ない口から言葉が空気に溶けだした。


(ねえ、もっと求めて、私に生きている意味をちょうだい)
(あなたのそばで生きていくという意味を)

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最近、男の喘ぎ声がすきで…
最後の最後に声を出させるの好きなんですが、苦手な方がいたら申し訳ないです。
初出:12.10.08.


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