ハルト
カイト恋人主で、ハルトの姉代わり。
母の日ネタ。

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「姉さん」


振り向いた先、ハルトの手にはピンクのリボンで結ばれた、ピンクのカーネーション。それと一緒にピンクでラッピングされた小さな箱。差し出されているのは私であるから、これは私がもらっていい、のだと思う。
ありがとう、といって、ハルトの視線に合わせて膝をつく。差し出された花と箱をもらった。
でも突然どうして?誕生日は今日じゃないのに。


「あの、ハルト。どうしてこれを?」
「…今日、何の日か忘れたの?」
「今日…」

今日の日付を思い出してみる。自室で見たカレンダー。確か日付の下に何かが書いてあったような…。

「今日は母の日だよ」
「あっ」

そうか、母の日。私も母が生きていれば毎年カーネーションをあげていた。


「姉さんは姉さんで、母さんではないけど、…でも僕にとって母さんみたいな人は姉さんだけだから」

ハルトは少し恥ずかしげに頬を赤く染めながら、微笑んで私を見上げる。


「いつもありがとう、姉さん。大好き!」



その言葉に持っていた花と箱を持った手をハルトの背に回す。ぎゅう、と抱きしめればハルトは腕の中で「痛いよ姉さん」と笑いながら言った。


こちらこそありがとう。私もハルトが大好きよ。



14.05.11.
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