白瑛
白雄の許嫁。白瑛より年上(紅炎の1つ上)
白雄許嫁主とはまた別の子です。

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*主=煌の貴族の娘か何かで、白雄と相思相愛の仲だった。白雄白蓮が殺害され、許嫁だった主は彼女の意思で宮中から去ることにした。
白瑛→主 の百合風味がする。たぶん。






「義姉上…どうして」
「陛下が決められたことです」
「うそ、嘘よ…紅炎殿は義姉上ご自身が決められたといっていました」

紅炎、余計なことを。そう思ったが口には出さない。
目の前の白瑛は声を震わせながら、瞳に涙をためながら私に向かう。…ああ、そのきれいな瞳を涙で濡らさないで。


「…私は、ここを去ります。いる意味がありませんから」
「意味ならあります!私が、白龍がいるではありませんか!それに母上だって!」
「……白瑛」

もう、決まったことなのですよ。
彼女の涙を拭おうと手を伸ばした時だった。今までだって一度もなかった、彼女が私の手を振り払うなど。それ程までに彼女に好かれている自覚はあったし、確かに彼女は私のことを好いてくれていた。



「うそつき!」



普段から声を荒げない白瑛の、滅多に聞けない悲痛の声。
言い去った彼女はこちらを振り向くこともせず走り去っていく。私はそれを見つめることしかできない。
…ああ、彼女と会うのはこれで最後になるのだろうか。



「どうだった」
「……紅炎、あなた、白瑛に言ったのね」
「真実を知りたそうだったのでな」
「全く、あの子に嫌われてしまったわ。あなたのせいで」

それは申し訳ないことをした。まったく心のこもっていない謝罪を聞き、これ以上彼からの謝罪の言葉は期待しないでおいた。期待しても裏切られるのが落ちだ。
柱から出てきた紅炎の後ろには紅明もおり、二人して私を取り囲むように両隣に立つ。


「…本当に行くのですか」
「あんな辺境に」
「はい、行くにきまってます」

愛しそうに、心を込めて腹をなでる。この身に宿った神秘を慈しむように、そっと、優しく。この子を守るためならば、どこにだっていけるのよ。


「国境の状況などは随時連絡いたします。ご安心を」
「ああ、任せた」
「…本当、いやになっちゃう」



貴方が天下を統一するまでにしなないかしら、あの女狐。
いっそこの手で殺してやりたいくらいだけど。



――――――――
主は玉艶の正体に気づいていて、紅炎紅明たちと連携を取っています。お腹には白雄の子どもがいたりいなかったり。バレると玉艶に狙われるので自ら宮中を去ることを選んだ、という感じ。
白瑛ちゃんに「うそつき!」って言わせたかっただけ。
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