動く時間


「あぁ、■■や」
「ほんと? 絶対だよ!」
「オレは嘘ついた事ないやろ」
「んー…ふふっ、そうだね」
「……なぁ、ミナ」
「なあに?」
「お前も■■せぇや、絶対■■から離れへんって」
「…うん、■■するよ、――■■さん」


待って、待って、

聞こえないよ

貴方はだれ? 何て言ったの?


「待って!! わたしも…っ、私も行く!」
「あかん、ミナは■■■行かへん」
「何で…!」
「絶対■■て来る、信じて待っとけアホ!」
「……ずっと、ずっと■■■るからね」
「……おん。……ほな行ってくるわ」


嫌だ、行かないで

まだ一緒にいたいの

傍にいて、お願い


「■■さんが、死んだ……?」


うそだ、嘘だ

だって■■した

あの人は嘘つかないもん


「……こんなに傷だらけになりよって……。お前仮にも女の子やねんからもっと気ィつけえ、アホ」
「…■■さん……」
「帰んの遅なってごめんな、ミナ」
「……ううん、お帰りなさい…■■さん…!」


やっと会えた

なのに、なのに、

やっぱり神様は意地悪だった


「……行ってきます」
「バっ……おま、何やってんねん!! さっさと戻ってこい!!!」
「ううん、私が行く。大丈夫だよ! やっと■■さん達が■■■来たんだもん、ちゃんと戻ってくるから!」
「そういう問題とちゃうわ!! お前は下がっとけ!!」


ごめんなさい

もう遠くなった影にそう呟いて破面が群がる場所へと向かった

怖くなかったの

ただ、貴方をもう失いたくなかっただけ

それだけなの


「あァん? お前は……藍染様の部下の四席じゃねェか!」

「その言い方やめてくれない? それに私はあの眼鏡の部下になった覚えも隊長だと慕った事もないわ。――私の隊長はただ一人、■■■■だけよ」


心臓に咲く馬酔木あしびに手を当て、誓う。その様子をまるで滑稽な物を見たかのような目を向けてくる破面達を嘲笑い、斬魄刀を構えた。


――気づいたら躰は血塗れで
ヒューヒューとか細い呼吸が零れる
誰かが私の名を必死に呼ぶ声が鼓膜を震わせる
それに応えるように自然と頬が緩み
ゆっくりと目蓋を落としていった

――…最後に見えた金色が、太陽に見えた


護廷十三隊五番隊四席、白崎ミナ

破面との戦闘にて死亡