幼馴染み





それはとても近くて遠い存在。
私達はいつも一緒だった、小さな頃から常に一緒で…。
おじいちゃんから作ってもらったヴァイオリンを二人して毎日毎日公園や学校、色々な場所で響かせ合ったよね。
だけどそれだけじゃダメだと知って…
私が星奏学院に転入するって言ったら響也は当然驚いていて、おじいちゃんの勘違いで勝手に私と一緒に転入手続きされていたのだと響也は文句を言っていたけれど…

結局響也は文句を言いながらも私に何にでも付き合ってくれて。
いろんなことに目を奪われて追い掛けていく私を後ろからぶつぶつと文句を言って面倒臭そうに…だけど、優しく見守って着いてきてくれる。
そんなあなただから私はここまで来れたのだと思う。



面倒くさがりで
口が悪くて
人一倍プライドが高い



それでも本当は…



優しくて
照れ屋で
怖がりで


口下手なところもある


そんなあなただからーー
私は大好きだって、いとおしいと想える。

これまで過ごしてきた過去も、そしてこれから積み上げてゆく未来も‘響也が傍にいる’それだけで私は幸せを感じられる。




だから




「きょーや、きょーや…ねぇ起きて!響也!!」

「…ん〜」

「響也!」

「……あぁ、かなで…おはよ」



朝、私は隣に寝る幼馴染み…もとい旦那様を起こす。
私達は大学を卒業してすぐ結婚をした。
プロポーズをしたのは響也の方で、高校生の時に幼馴染みから恋人になるための告白以上に照れていた彼の表情はいまでも思い出すだけで笑みが浮かんでくる。
響也らしいストレートな言葉で、それでも緊張していたのか目を少し泳がせ顔を真っ赤にして言ってくれた。
そんな彼が自分は大好きで…


だからね、私は響也に出会えたこと神様に感謝してるよ。
この先何年…何十年経っても私はあなたが大好きだから…


「響也」


「ん…」




ちゅ




「なっ…かなでっ!?」


「ふふっ、響也お誕生日おめでとう」



やっぱり突然の私のキスに驚いたあなたは顔が真っ赤で…
そんな彼を見ると私もなんだか恥ずかしい気持ちになる。
だけどこれだけは、あなたの誕生の日を祝う言葉だけは私が最初に言いたかったから…


だからね、響也…
生まれてきてくれて、ずっと私の傍にいてくれてありがとう。
これまでもこれからも二人で時間を繋げていこうねーー








おはようのキスに甘く酔う
(また一つ、私と彼の刻が増えた)
















君と過ごす夏というコルダ3企画サイト様に提出した作品です。
初じめての響也×かなで、で『未来』がテーマということだったのですが、どうでしょう?
自分的には響也の誕生日と未来を絡ませてみたのですが、イマイチ上手くまとまっていない気が…。
でも、とても楽しく書かせていただきました!参加させてくださり、ありがとうございました。
10/3.31






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