*「奥村くんはショタコン」の続き








「あ、」

忘れ物をした、と思って急いで塾に戻ってきたのにその忘れ物がカバンの中から出てきた。無駄足やった。しにたい。

「はぁ」

なんかもう色々とやる気なくしてもた。
完全に脱力していつもの席に座る。机に突っ伏してまたため息を吐いた。

「最近良いことあらへんなあ…」

朝起きたら目の前に蜘蛛さんいたり中間テストでひどい点とって坊に1時間説教されたり間違うてお気に入りのエロ本売ってしもうたり。それから、

「…好きな子がショタコンやったり…」

…あれはショックすぎた。まじで。自分が男の子を好きになってしもうたと自覚した時ぐらいショックすぎた。本を開いたら蝉の抜け殻が挟まってた時くらいショッry

「う、思い出したら涙が…」

虫さんまじ怖い。ってちゃうわ。虫さんはどうでもええねん。いや良くないけど。

「志摩?」

「えっ」

噂をすればその好きな人が め の ま え に

「っわ、奥村くん!?」

いつの間に教室入ってきてたんこの人!

「いっづあ!」

「え、大丈夫か!?」

びっくりしてファニーなボーンを椅子の背もたれにぶつけてもたアアアアア痛い!ほんまにやっばい痛い!

「だ、大、丈夫…や…」

痛みに悶えながら親指を立てる。何かっこつけてんねや自分アホか全然大丈夫ちゃうわ。むしろ大丈夫やないふりしたほうがよかったんちゃうか?優しい優しい奥村くんのことや、介抱してくれたかもし…

「ほんとかよ?だいぶ痛そうだけど……あっ、虫連れてこようか!?痛みを忘れられるかもしんねーぞ!」

やっぱさっきの無しで!!!!!介抱してくれんでええわ!!!!!この子めっさ良い笑顔で何言うとんの!?奥村くん、おそろしい子…!

「いやいやいや遠慮しときますわぁ、ははは」

乾いた笑みしか出て来ないyo!!!

「そうかー?………ちっ」

舌打ち、やと…?
ショタコンで鬼畜とか奥村くんどんだけ変態なんや……ほんまどこの星から来たん?きっと俺の知らない星なんやろな(遠い目)

「………………」

「?」

な、なんやの?奥村くんが目を細めて俺の顔をガン見してるなう…?

「おくむらくん?」

がたん。

音がしたほうに目を向けると、奥村くんが机の上に乗ろうと足を…って何してんねんほんまに!

「ちょっ、机の上に乗っちゃいけまへん!」

って俺はオカンか!しかも奥村くん聞いてへんし!
あっという間に奥村くんは机の上に乗ってこちら側に足を下ろし座った。…こちら側に足を下ろし?

「…え?」

なん、や、この体勢…?せ、説明しよう。俺は椅子に、奥村くんは机に、向かい合うように座っている。椅子と机の間にはそんなに距離がない。つまり俺は今奥村くんの両足に挟まれているわけで

「ん」

「ふぉ!?」

と思ったら奥村くんの両足が俺の両肩に乗ってさらに足を使って俺の体を引き寄せた。そして奥村くんは俺の顔を両手でがっちりとホールドしてまたガン見し始めた。何がしたいんや

「お、奥村くん…顔…近ない…?」

なんてーか、あの、照れるんやけど…

「…お前、さ…」

奥村くんの声が普段よりも低い。怒ってはるんやろか…?え、なんで?いや怒るなら両足を肩に乗せられた俺が怒るべきやないの?何照れてん。

「奥村くんほんまどないし…」

「お前、あと10歳くらい若ければいいのにな…」

「……Why?」

なんて?え?この子今なんて?奥村くんがまた俺には理解不能な難しい言語使うたから思わず英語で返してもうた。まあ英語も全然理解出来とないけどな

「だから、あと10歳くらい若ければいいのにって」

「だぁああ意味わからへん!!!」

頭パーンすた!

「うっせえよ」

ついでに頭パーンされた!いたい

「だって奥村くんがわけわからへんことばっか言わはるから!」

「はあ?超かんかつ、ん?かんけつに言ったじゃねえか」

呆れ顔で奥村くんがそう言い放つ。
なんや俺が悪いみたいや……いや俺は悪うない、うん。

「10歳も若返ったら俺5歳やで!?」

「だから良いんじゃねーか」

そらそうや奥村くんショタコンやも…うぅ、どないしたらええの。なきたくなってきた。

「…俺じゃあかんの…」

「え?」

「せやから、今の俺じゃあかんの!?」

そしてついに言ってしもうた。感情に身を任せて。もうどうにでも

「うん、俺10歳以下にしか興味ねえから」

「……………」


こないな理由で失恋するのは初めてやなぁと思いました、まる。








―――――――
ショタコンの奥村くんが徐々に志摩に惹かれてく感じにしたかったけど無理っぽいわ。
奥村くんまじキチっぽいわ。
てかぐだぐだ感やべーな。

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