「りん兄さんって、ずっとここにいるの?」

ある日、
いつものように『きょうかい』にきて、いつものようにりん兄さんがいて、そこでふしぎにおもったことをきいてみた。

「ん?まあなぁ、もう何年いるんだろうなここに」

「??」

なん年?いやぼくがきいたのはそういういみじゃないんだけど

「そうじゃなくて」

おそらく、じぶんがここになん年いるのかをおもいだそうとして「うーうー」とうなっているりん兄さんのうでをぺちぺちとたたく。

「んぁ?」

「りん兄さんは、ひるまもここにいるの?」

たしかにここになん年いるのかもきになるけど、ぼくがきになるのはこっち。
だって、りん兄さんは、ぼくがどれだけ早くきても、かならずいるから。

「あー、なるほど…うん、昼間もいるぜ」

「…がっこうとかないの?」

「はァ!?学校!?」

りん兄さんがおどろいて(?)こえをあげる。そのこえにびっくりして、すこしかたがびくっとした。

「あんなもんとっくに卒業したぞ!?」

「そ、そーなの?」

てっきり、りん兄さんは高校生くらいなんだとおもってた。けど、ちがうようだ。

「そうそう」

「へー…」

『とっくに卒業した』ということは、もうなん年もまえにそつぎょうした、ということだろうか。

「りん兄さんって、なん才なの?」

「…んーと…二百、四?」

「にひゃくよん?」

…?
にひゃくよん…?二百四?…え?

「…うそでしょ」

いくらなんでも、二百四才は、ない。

「うそじゃねーよ!た、多分…」

「たぶんて…」

ないでしょ、っておもうけど、りん兄さんのかおは大まじめだった。

「ほんとなんだってば」

とりあえずしんじる、ということにしておいた。




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