なんだ、この、悪魔は。 「ゆーきーお」 ちろり。欲情しきった眼で僕を見下ろしながら舌なめずりをする、悪魔。僕の、兄さん。 ほんのりと紅い目元が艶めかしくて、息を呑む。 こんなの、僕の知っている兄さんじゃない。 悪魔だ。 「なぁ、ゆきお」 シようぜ? 僕の胸に指を這わせながら悪魔が耳元で囁く。吐息混じりのそれに、背筋がゾクゾクとした。 「いいだろ?」 胸にあった指がそろそろと下半身まで滑っていく。 「ゆきお」 スラックスの上から自身を撫でられた。堪え切れず息を洩らしてしまう。 「は、ぁ、にぃさ…」 「ずっと、こういうことしたかったんだろ?」 「っあ、」 「俺に触られたかったんだろ?俺の指で、爪で、手のひらで、撫でられて、擦られて、イきたかったんだろ?それとも、俺の舌で舐められて、唇で食まれて、喉奥で吸われて、イきたかった?自分の精液を全て、俺に飲ませたかった?なあ、そうなんだろ?間違ってなんか、ないよな?」 その通り、だった。 「叶えてやるよ」 悪魔が囁く。 僕は拒めなかった。否定なんか出来ないほどに、すでに僕も欲情していたから。 誘 わ れ て 融 解 思い知らされる。 僕の兄さんは、本当に悪魔なんだと。 ――――――――――― ■告別 淫乱燐が書きたい難しい この燐は雪男のこと別に好きくない ← |