なんだ、この、悪魔は。


「ゆーきーお」


ちろり。欲情しきった眼で僕を見下ろしながら舌なめずりをする、悪魔。僕の、兄さん。
ほんのりと紅い目元が艶めかしくて、息を呑む。

こんなの、僕の知っている兄さんじゃない。

悪魔だ。


「なぁ、ゆきお」


シようぜ?


僕の胸に指を這わせながら悪魔が耳元で囁く。吐息混じりのそれに、背筋がゾクゾクとした。


「いいだろ?」


胸にあった指がそろそろと下半身まで滑っていく。


「ゆきお」


スラックスの上から自身を撫でられた。堪え切れず息を洩らしてしまう。


「は、ぁ、にぃさ…」


「ずっと、こういうことしたかったんだろ?」


「っあ、」


「俺に触られたかったんだろ?俺の指で、爪で、手のひらで、撫でられて、擦られて、イきたかったんだろ?それとも、俺の舌で舐められて、唇で食まれて、喉奥で吸われて、イきたかった?自分の精液を全て、俺に飲ませたかった?なあ、そうなんだろ?間違ってなんか、ないよな?」



その通り、だった。



「叶えてやるよ」



悪魔が囁く。

僕は拒めなかった。否定なんか出来ないほどに、すでに僕も欲情していたから。













思い知らされる。

僕の兄さんは、本当に悪魔なんだと。








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告別

淫乱燐が書きたい難しい
この燐は雪男のこと別に好きくない

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