「ただいま文人」

兄さんは帰ってくるといつも僕をぎゅうと抱き締める。

「兄さん、おかえりなさい」

勿論僕も抱き締め返す。そうすると兄さんは嬉しそうに微笑み、僕の唇に自分のそれを押しあてる。
ちろりと舌先が触れ合うと僅かに背筋に電流が流れる感覚がして、思わず続きを催促してしまいそうになった。




もはや日課となっているこの行為。
これが兄弟にしては少しいきすぎていることに、僕は気付いていなかった。

気付くわけがないのだ。




僕には兄さんが全てだったから













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僕を構成する要素=兄の愛

我は虫喰い


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