それは叶わない恋だと知っていた。 目の前の青に手を伸ばす。普段なら絶対に触れないそれは意外にもさらさらとしていて気持ち良かった。 (夏空みたいだ、眩しい) 口に出したことなんて一度も無いが、こいつを見る度にそう思う。 「っん…」 不意に彼が身動ぎした。 起こしてしまっただろうか。慌てて撫でていた手を離す。 「ぅ…ん………」 少し様子を見ていると彼はまた規則的な寝息を立て始めた。 ほっとして無意識に強ばっていた肩を撫で下ろす。 身動ぎしたせいで少しずれ落ちた毛布を掛け直……って、なんで僕はこんなことを。 ほっとけば良いのに。この世界じゃ病むことはないのだから。風邪なんか引かないのに。 だいたいにして、こんなところで、校長室のソファーに寝てるこいつが悪いのだ。いつから寝てたのかは知らないが。 ………もしかして、こういうのをツンデレと言うのだろうか。わからない……。 てゆうかさっきまでの自分の行為を思い返すと…わ、もう考えたくない。 「………」 …こいつを、日向を好きだと自覚したのはいつだったろう。 そう遠くはないはずなのだが。ずいぶん前から好きだったような気がする。なんて錯覚に陥るほど僕はこいつを好きになっていたのか。 だけど、 この気持ちに気付いてほしいとは、思わない。 気付かれたらお終いな気がする。 だって、きっと、拒絶されるに決まってるから。 そんなのは嫌だ、嫌だけど。 いずれはばれるだろう。多分、時間の問題。 なんだかんだで、この関係を、この距離を気に入っているのだ、僕は。 まだ崩したくない。 だからもう少し、 もう少し、鈍感な君でいて 起こさない程度にその青に口付け、僕は校長室を出た。 「…今のって、どう受け取ればいいの…」 日向がずっと起きていたことに気付かないまま。 ―――――――――― 企画サイト「太陽に片思い」様に提出。 なんかぐだぐだ感が…ごめんなさい(;ω;)ブワッ 参加させていただきありがとうございました! 後で続き書きたい← ← |