「なあ、どうしたらお前は俺のこと見てくれるんだ?」 こいつは何を言ってるんだ?僕はもう貴様しか見えていないのに。貴様のことしか頭に無いのに。そうさせたのは貴様なのに。まるで催眠術でも掛けられたかのように。 「俺はお前をこんなにも望んでいるのに」 自ら望んだわけじゃない。初めは抵抗したんだ。それこそ催眠術を使って。でも、効かなかった。理由は直ぐに解った。コイツは狂っていたんだ。 「愛してるんだ、凄く、凄く」 気持ち悪い冗談だ、愛してるなんて。愛してるならどうしてこんなことをする?ああ、いっそ死んでしまいたい。なのに何故僕はまだ意識があるんだろう。早く死にたい死にたい死にたい。 「なあ、直井」 ぐさり、とどこかに何かが刺さった音がした。今度こそ、死ねるかな。 「これは全て例え話だ」 ああ、またなんか巫山戯た事を言っている。これは例え話なんかじゃない。現在進行形で起きている、実話だ。 (誰でもいい、誰か助けて) (誰か、誰か、名前が思い出せない) ___________ なんかもう日向じゃないよな すんませ← ■我は虫喰い ← |