あれからすぐ男子バレー部の監督さんのもとにいき、双子と一緒に入部届けを出てきた。



宮兄弟の幼馴染みで、喧嘩を止められるという理由で私はマネージャーになった。マネージャーの業務のほかにこいつら双子の面倒を見るんかと思ったけど、近くで2人のバレーを見れるのなら、ええかってなったのは覚えている。




マネージャーになったということで、色々その日から今まで選手たちが分担して行っていた業務をひとつずつメモして覚えていく。



今日は突然のことでシューズやジャージなんてないから、盛大に業務に全う出来ないのがもどかしい。




やっと練習が終わり、少しずつ部員たちが部室に戻っていくなか、侑と治だけがボールを触っていた。



「みんな部室行ったで」
「千聖」



侑が持っていたボールを私に投げる。
咄嗟に私はアンダーハンドパスで侑の隣に治にボールを返す。治も治で軽く私が取りやすい位置にスパイクを打ってくれる。ほぼ動かない位置にコントロールするのはさすがやなってうまいなって心底感心していると、




「なんでプレイヤーやめたん?」
「うーん...」




聞かれたくない質問、でもこればかりはよく会っていた治にも話とらんし、なんなら誤魔化そうとしても2人の視線が、”逃げんなや”と圧をかけてきてるので、小さいため息をついて、私は答えるため口を開いた。




「なんやろ...一生懸命ボールを追うことに疲れてん。ボール拾っても繋ぐ人おらんとバレーできんやん?それやわ...」
「は?」




.....侑、怒っとるな...
ま、侑はセッターやし、基本2番目にたくさんボールを触るもんな。




「でもええねん、こうやってまた3人でバレーやれるしな」




私が返したボールを2人とも取らず、顔を見合わせて




「「アホやな」」


って言ってきた。



「誰がアホやねん!」



売り言葉に買い言葉とはこういうことか




「双子に千聖!早う帰らんか!」


小学生のときに知り合った尾白アラン君が私たちに注意した。



なんだかんだ、侑と治の知り合いもおるし、上手くやっていけそうやなって思ったりしたのは内緒。



明日から朝練参加やし、これは大変やなって思ったのである。









マネするきっかけ
(あいつ上手くなっとたなぁ)(たまに俺が相手しとったしな)


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -