「副長ォオオオオ!!」
うるさいな···。
真選組屯所内は、近藤さんがお妙さんにフラれたことと、銀髪の侍に喧嘩で負けたということが出回っていて、朝から大の大人たちが騒ぎまわっている。
「お茶菓子でーす」
「おぉ、ここに全部置きなせィ」
「1人1個に決まってるでしょーが」
沖田さんってどこぞのジャイ○ンみたいなこと言うよね。ジャイア○に憧れているのか···。
「会議中にやかましーんだよ、あの近藤さんが負けるわけねーだろうが。誰だくだらねぇうわさ垂れ流してんのは」
「沖田隊長が···!」
「俺は土方さんにききやした」
近藤さんの件を言いふらしたのは言わずもがな沖田さん。そんな沖田さんに近藤さんが負けたことを言ったのは、そこで頭を抱えている土方さん。沖田さんに言うと基本バラされるでしょうよ。バカだよ、この人。
他の隊長格の人たちに色々言われてキレた土方さんは山崎さんを介錯するようで···
「ウィース」
そこに入ってきたのは話の中心だった近藤さん。頬っぺた腫れてんだけど···。
これじゃ必死に隠そうとしていた土方さんの努力は水の泡···。まぁ、きっと近藤さんのストーカー行為は無くならないだろうから、いつかはバレることだっただろう。
よし、買い物いこう。
ーーーーーーー
うわ···貼り紙だらけ。
こんなんだからチンピラ警察って呼ばれてるのわかるわ···。
にしてもマヨネーズ重い。一体誰が使ってんの?山崎さんがこの前マヨネーズが無くて誰かが暴れてたって言ってたっけ?誰だったかな?話あんまり聞いてないからわかんないや。
ガゴォン
屯所に戻る帰り道、突然屋根の上から大きな音。
「あぶな!」
間一髪避けれたけどさ···また何処かの誰かさんが暴れるよ···これ。だってマヨネーズご臨終だよ。どうしようかな、また買いに戻るかな。いや、でも今日の買い物の予算をオーバーすることはできないんだ!!だからごめん、誰かわからぬマヨラーさん!
「お、貧相なお嬢ちゃんじゃねーか」
「あ、銀髪」
「ちょ、俺だけ銀髪って酷くない!?」
「だって名前知らないもん」
主人公でたしか銀魂って作品名で銀髪···大方、名前は銀○とかだろな。
「あーそうだな。かぶき町で万事屋やってる坂田銀時でーす」
「···銀ちゃん?」
「そうそう銀ちゃんでも銀さんでとなんでもどーぞ」
「銀髪」
「人の話聞いてたァア!?」
「銀ちゃんね···」
銀髪もとい銀ちゃんをよく見ると、肩を押さえていた。
「どーしたの、肩」
「あぁ、これか?瞳孔開いたお巡りにやられた」
それって土方さんかよ
「というかお嬢ちゃんこそ名前は?」
「潮崎なる」
「なるちゃんね」
「病院行かないんですか?」
「あぁー金ないからなー。よし、貸せ」
「いやだわ。銀ちゃんに貸すぐらいなら犬にバラまくわ」
「俺は犬以下かよ!!」
銀魂の世界ってツッコミ激しいよね。うるさい。特に土方さんとか銀ちゃんとか土方さんとか···。大半は土方さんのうるさいツッコミとか怒鳴り声で眠気が吹っ飛ぶから助かってるんだけどね。
「まぁいいか。なるちゃんさ、困ってるんなら銀ちゃんに相談しろよ。この前の詫びもあるしな…じゃあな」
「ばいばい銀ちゃん、お大事に」
銀ちゃんに相談したら元の世界に戻る手がかりは見つかるというのだろうか。いや、見つからないだろう。こっちにきたときもなんの予兆もなかったしさ。田んぼに落ちたぐらいしかアクションはなかった。
相談ぐらいはしてもいいのかな。
買い物帰りは気を付けよう
(潮崎···マヨネーズはどうした)(マヨラー土方さんかよ!!)