私が連れてこられたのは、特徴的な顔や窪みが凄いおじいちゃんたちがたくさんいる、呪符と蝋燭がたくさんある部屋だった。
そこでは、私は一体何者だやら、お前の術式は?やら、なぜあの現場に居合わせただのなんだの1度死に、別世界に突然やってきて右も左もわからない私にとっては初めて聞く単語ばかりで全くもって話についていけないし、何も答えることは出来ない。
あと不気味な女だ、だの言われ終いには殺すのが1番だの言われて、死んでもいいとか思ってたのに、実際に異形ではなく人から殺すと言われると流石に凹む。
私ってそんなに不気味なんだろうか。
いや、そうか。だって...
「あぁ!ごちゃごちゃ煩いです!呪術とか術式とか呪詛師とか私には全くもって分からないです!!私、呪力とかほぼ一般人に近いらしいんで死ぬ時はすぐ死ぬのであなたたちに私の死を選んで欲しくないです!!」
ンン、言ってしまった...
だって知らない人に何もしてないのに、殺されるのは流石の私も気に食わない。
「この話はとりあえず保留じゃの。貴様が不可解な行動したら、殺されるかもしれないと肝に銘じておれ」
まず呪術云々を教えて欲しい。
話はそれからでしょ...
五条さん達が言っていた人体実験こそなかったが、あんな物騒な会議参加なんて聞いてない。
私は変な場所からでて、黒スーツの人と別れた場所に立ちあとで向かいに来ると言った黒スーツの人を待っていた。
「黒木沙菜か?」
「あ、はい」
名前を呼ばれ振り返るとそこにいたのは、ガタイのいいおじさん?いや、もう少し若い?男の人が立っていた。
「私は夜蛾だ。今日からお前の担任になる」
「担任...」
「お前は今日から東京都立呪術高等専門学校の1年に編入という形で通ってもらう。その血塗れた制服はここの制服に着替えて貰う」
夜蛾先生に差し出された制服は私のサイズにピッタリと合っていて、いつどこでサイズ測ったんだ?って思ったけど、聞かなかったことにした。
硝子さんの制服と少し似たような感じだが、少し違うような気もする。
血塗れの制服は高専の制服が入っていた袋にいれ、持ち帰ることにする。
「着替え終わりました」
「あぁ、なら行こう」
1年生の教室へ向かう途中、呪力、呪い、呪霊の話を大まかにきいた。
私が見たのは呪霊で学校とかには呪いの類が集まりやすいと聞いた。それを払う呪術師を育てるのがここらしい。
また学生は在学中寮に住むことが出来るとのことで、少し楽になった。
あ、でも着る服とか全然ないし、お金持ってない。
「必要な物はあとで買いに行けばいい」
「あの私所持金、500円ほどしか」
「前借りで今月分の給料を渡そう」
学生でも呪霊を祓うため、ここでは階級により給料が支払われるらしい。
有難い。前借りということは、極貧生活しなければならないやつだ。
「ここが今日からお前の教室だ」
緊張する。
夜蛾先生のあとに続き教室へ入ると、見知った顔が3つ。
「え、3人とも同じ学年なんですか?年上かと」
「あ?老けてるって言いてぇのか?」
「誰も老けてるとは言ってないです」
五条さん相変わらず口悪い。
「悟今から沙菜と買い物行ってこい」
「は?なんで俺が」
「お前が誘ったからだ」
「げ...」
五条さんはいやいや言いながら立ち上がり、私に向かい行くぞっていってくれた。
私は教室に入る前に夜蛾先生から貰った前借りの給料袋を握りしめ五条さんのあとを早足で追うのであった。
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