授業が終わり、私は高専を出て30分ほど歩いた先にあるスーパーへ何故か五条と来ていた。


いや、なんで?


「五条、部屋で待っててよかったんだよ?作ったら談話室で食べる予定だったし」
「は?俺の部屋で作らねぇの?」
「え?」
「いや、俺の部屋で作って俺の部屋で食うだろ」


確かにこの寮は、各部屋にキッチン、シャワールームがあるが、それとは別に共同スペースに大きなキッチンと大浴場がある。


私は共同スペースで作る予定だったし五条もそのつもりだと思っていたが、五条はどうやらそうじゃなかったらしい。


「五条の部屋ってことは五条と2人っきり?」
「おー」


五条は私がもつ買い物カゴにあれよそれよとお菓子を入れていく。


ハンバーグの具材が見えないんだけど...。
私はため息を一つはき、他に必要な物を入れていく。


レジに行くと五条が何故か財布を出していて、私がお金を出そうとする所を止める。サングラスの隙間から覗く瞳は随分楽しそうで、これ以上声をかけるのは無駄だなって思った。
この間のケーキバイキングのときのお金も「一応彼氏だから」といい、私の分のお金も払ってたし。確かに御三家で坊ちゃんだし、1級呪術師だから給料もたんまり貰ってるだろうけど...


五条は荷物も重いものは持ってくれて私にはお菓子が入っている袋を持たせてくれる。


こういうとこだぞ、五条悟...


私は私のスペースで歩く五条をチラ見するが、五条はそれすらも気づき「なんだよ」と悪態をついてくるも全く怖くない。


寮につき、私は着替えてから行くねといい五条と別れる。


「沙菜どこいってんだ?」
「買い物。今から五条の部屋でハンバーグパーティだよー!硝子もくる?」
「いや、行かねぇ。多分私が行ったら五条機嫌悪くなるよ」
「いや、ならないでしょ」
「なるよ。あ、そうだ。夏油今から任務だってさ」


硝子はそれだけ行き部屋に戻って行った。
ハンバーグパーティなら同級生だし、行ってもよくない?なんで行ったら五条の機嫌悪くなるんだろ...。


あとなんで傑がいるか居ないこと教えたんだろ...。五条に聞こ。


私は着替えて五条の部屋へといくと、五条が下準備をしていて、思わず「頭大丈夫?」と聞いてしまい、こめかみに青筋を浮かべ私に詰め寄ってくる。



「俺の頭が大丈夫かどうかって?」
「だ、だって、料理なんてするような感じしないし、ってか顔近い!」
「近づけてんだよ」


やっぱ共同スペースで作ればよかった!


「...ったい!」
「バカにした罰だ、ぺちゃぱい」
「見たことも触ったことも無いくせに...」


五条は結構強めのデコピンをし、下準備に戻って行った。人が気にしている胸のことを言いやがって、ここの世界の人の胸がみんな大きすぎなのが問題でしょ!
私はこの歳では普通だと思う...。着痩せするタイプだもん。


私は五条の隣に立ち、ハンバーグを作る準備を一緒にする。ハンバーグを焼いている時は、五条は何故か私の後ろに立ち、私の頭に顎を置き両腕はお腹に回されている。


「あの、五条...なんでこんなに密着してんの?」
「こっちの方が焼いてるとこ見やすい」


五条のパーソナルスペースどうなってるの??
私が泣いたときから距離が近すぎて困る。


無事にハンバーグを焼き終え、五条が炊いていたご飯をよそいサラダをつけて食べる。



「美味しい」
「ま、俺の手にかかれば余裕だな」



ほとんど五条がやったなんて言えない。だって下準備ほぼやってたら私空気抜いて焼くしかないじゃん。


食べている時に五条に「さっき硝子が傑が今居ないことを教えてくれたんだけどなんでだと思う?」と聞くと、五条は「へぇー」と興味無さそうに返事をする。五条でもわかんないか...。私は少し残念に思いながらご飯を食べる箸をすすめる。


お互い食べ終わり片付けをし帰ろとすると腕を掴まれ五条の元へと引き戻される。


五条は私をベッドが背もたれになる場所に座らせ軽く肩を押し、私をベッドに押した倒すような形になり五条は私の上にいる。


ンん!?なんで!?


「沙菜この前泣いてた理由いえ」
「え...」
「言わねぇとこのまま...いやもっと違うことするか?」


といい耳にかかる髪を耳にかけそこに顔を近づけてくる五条。耳にかける為に少し耳に触れる五条の指に思わず身体がビックリしてしまい、それに気づいた五条はニヤニヤして私をみて耳に空気を吹きかける。


「...っん」
「早く言わねぇと舐めるぞ」
「な、舐め?」


え?言わないと舐める?
でもあの記事をどうやって伝えればいいの?正直に話して引かれない?


悶々と悩んでいると


「ひゃっあ...」

耳に生温い感覚が伝う。


必死に両腕で五条の胸を押していても離れなかったのに、私の声を聞いた五条は自ら離れ口元を手で隠し、「今のはヤベェだろ...」と呟いていた。


「あの...五条?」
「今のはお前が悪い」
「いや、完璧五条が1人でやった事じゃん!」
「お前が早く言わなのが悪い。早くいえ、さっきよりも長く舐めんぞ」


こんなの脅しじゃんか。


「言うから離れて欲しい...」
「嫌だ」
「ならこの体制はやだ」
「ダメだな」


意地悪...


諦めて言うしかないのかな


「五条は別世界の死んだ人間が違う世界で生きてるってどう思う?」
「は?」


これは賭けだ。





prev next

Top
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -