それは

突然。



『……あれ…?』


始まりは些細な事。

『この人形……向きが違う……?』


私は、ぐるりと部屋を見渡す。
……人形だけではない……。

ほとんどの、位置、向きが

出掛ける前と変わってる…………。


『………見間違い、かもしれない…よね』


その時私は、あまり気には しなかった。

でも能天気すぎた私の考えは3日後に 訂正せねばなくなった。


その日も、いつも通りに学校に行って、いつも通りに一人暮らしをしている 家に帰った。


ガチャッ―――

『…ただいま〜…………っ…!!?』


また……物の位置が変わってる……。
私は慌てて荷物を置き、部屋中を調べまくった。

大きな変化が一つ……

ベットがぐちゃぐちゃになっていた。私は直そうとして シーツに手を滑らせた。



と、


………なんで

なんで なんで


シーツが

アタタカインダロウ?


『ひっ!!!!??』


慌てて手を離し 後ずさる。

これ以上……ここに居たくない…。
でも犯人を突き止めたい……。


その一心で私は 分かりにくいところに ビデオカメラをセットした。

……これでOKなはず……。


フラり……
私は立ち上がり、荷物を持ち 自分の家をあとにした。





††††††


『………と…言う訳なの………。お願い……今日だけ、泊めて…』

「仕方ないっすね」

『ありがとう、赤也』

「別に大丈夫っすよ^^」



あの後、家をでた私は 幼馴染みの切原赤也の家に来ていた。


「うーん……見間違いとかじゃないんすか?」

『違う…見間違いなんかじゃない…。………だって……布団が温かかった……っ』


今思い出すだけでも 寒気がする。

犯人は………なにがしたいんだろう……。


「先輩……大丈夫っすから…。今日はゆっくり泊まってって下さい!」


あぁ…
今は、この赤也の笑顔に励まされる…


『うん、ありがとう…』



††††††


一夜明けた今、私は自分の家の扉の前に立っていた。


ビデオは上手く録れているだろうか……


ガチャッ………

『……ただい、ま…』


ゆっくり 家に足を踏み入れる。

……………また、位置が変わってる…。


『……っ…』

泣きたいのを我慢しながら、隠していたビデオカメラに手を伸ばす。


この中に犯人が………………





私は ゆっくり再生ボタンを押した。









ピッ―――――

《ザー……ザー……》



最初のうちは 真っ暗…。


《ザー………ザザー……ザー…》

『…………』







《…ザー…………、……ガチャッ…》


『…………っ』


誰か……入ってきた……







………その人は……


私のベットに寝たり……手当たり次第に 私物に手をだしていく……………




見慣れた…………

幼馴染みの姿………









『………あか、……や…?』








《ザー……ザー……………ガチャッ…》























……また、誰か入ってきた……。




《……ただい、ま…》










私、だ…………





















すると…………赤也は慌てた様子で






















押し入れの中に




………………………………カクレタ






















……………………ぇ……………?






押し………入れ………………?



























私の
























背後で































押し入れの戸が


アク オトガシタ




























「…気づかなければ…………良かったんすよ…」























最期に聞いた











赤也の コエ 。








end......




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