およそ一生の恋というものはない。










初めてアイツと繋がったのは一年くらい前。
お互いハジメテで色気もクソも無い感じだった。
モッテモテの及川君からは想像できないくらい不器用で、ゴム一回着け損なったりして。

でも、終わった後に繋がったままぎゅうって私を抱きしめて



『俺、今世界一幸せ』


とか泣きそうになりながら言うもんだから、思わず笑ってしまったっけ。



そんな純粋で可愛い彼は…、どこへ行ってしまったんだろう。





『名前ちゃん、どう?』
『ん、』
『ここは?』
『んんっ』
『こっちは?ねぇ、言ってくれなきゃ分からないよ??』
『…っば、か…っあ』
『あぁこっちかぁー』
『っ!?ひゃぁあ…っ!!』
『ここ、コリコリされると好いんだね?』
『ち、がぁっちがうっばかぁっ』


ベッドにうつ伏せてクッションにしがみつく。
四つん這いになる私の腰を支えてゆっくりと私の"ナカ"を出入りしている彼は、さながら大好きなバレーをしている時と同じくらい楽しそうだ。


『むー、名前ちゃんさっきから違うとかバカとかしか言ってないー』
『う、る、さいっいちいち、聞かないでよ』
『だって気になるじゃんかー、』

及川は背中に抱きついて乱れる私の髪を梳き、出てきた耳に舌を這わせた。
そのまま穴に挿し込まれたら、ゾクゾクと背中に悪寒が這う。
私が、耳弱いって知っててするから質が悪すぎる。


『あ、は…すごい…』
『やん…っやめて、おいかわっ、』
『すごい、名前ちゃんのナカ…ぎゅうぎゅうって、』
『ち、ちがうからぁっ』
『何が違うの?ねぇ、聞こえる?俺のに吸い付いてるの』
『やぁ…っ』

及川が腰を引いたり押しつけたりする度に粘着質な音がする。
じゅぽ、じゅぽって。
私の身体が、及川を離したくないって…言ってるみたいで恥ずかしくて。

『名前ちゃん…、』
『あ…』
『ちゅうしたい…』

身体を反転させられてナカが擦れ合う。
こんな余裕無い顔を見られたくなかったと思ったけど、及川を見たら実は彼も余裕なんて無くて涙目で紅潮している顔に少し安心した。

目が合うや否やかぶりつくように口付けられて咥内を貪られる。
きゅんきゅんと疼く私の胎内を遠慮無く堪能する彼は、何時もより興奮しているのかピストンが少し乱暴で。


『あ、う…』
『はぁ…名前ちゃ…っ』
『い…よ、とーる…っい、のぉっ』
『ん…っ』
『すき…もっと、』


ぎゅうっとお互い抱きしめ合ってから絶頂に達した。
イく時の彼の顔はとても可愛いから好きだ。
嫌がると困るから言わないけど。




 :
 ・




『名前ちゃん最後に素直になるのずるい…』
『…うるさい』
『でもいつも初めからあれくらい素直なら可愛いのにー』

情事後、唇を尖らせて文句を言い出した及川。なにそれ心外だわ及川君。
少しムカついたのですり寄って上目遣いで彼を見た。

『素直じゃない私は可愛くない?』
『えっ』
『じゃあ素直になろうかな…』
『え、名前ちゃ…、』
『ねぇ、とーる…すき…』
『ちょっ』
『もう一回シタいな…』
『えっ』
『徹…』
『名前ちゃん待っ、』
『もっと、私…徹を感じた…』
『す、すとっぷ!』

真っ赤になった及川は、恥ずかしいのか顔を見せないように私を抱き寄せた。
胸に耳を寄せる形になった私は、及川の早い心音に笑みがこぼれる。





ああ、案外まだ可愛かった。




next





こんな感じで及川君がヘタレ。


[ 2/2 ]

←|index|→
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -