君と僕とエトセトラ


((ショタコンじゃないです!))









『何で居る…!!』



ゆっくりと近づいてきたその人は、私が会いたくて会いたくて仕方なくて、でもチョット今じゃなくても良かったかなって。


『…あ、れ………?』
『ああ、しゃがんで差し上げましょーかァ?名字先輩?』
『…蛍、』
『冗談だよ』

クスクス笑う彼、月島蛍は私をひょいと抱き上げた。
それに固まる私。
今度は周りも一緒に固まった。


『えっちょっ!』
『相変わらず小さいよね』
『ううううるさい!下ろして!』
『えー?』

にやにや。蛍は意地悪く笑う。
…うん、意地が悪いのは知ってるけど…!今すっごく楽しんでる!


『助けて忠君っ』
『名前さんがんば!』
『うるさい山口』
『ごめんツッキー!』

何で忠君そんな楽しそうなのうわんばかぁ!

いつもより高い視界から周りを見渡すとみんな私を見上げていてぽかんとして。
目が合うと澤村君がはっとして口を開く。

『名字…えっと』

でも出てきた言葉はそんなので、何て言って良いか言葉を探して居るみたいだった。
正直私も説明を躊躇していると、澤村君が苦笑いして。

『お前等知り合いだったのか…』

と言った。
みんなもそっかーと張り詰めた空気が緩んだ時、私を抱く彼はこっちをチラリと見て口を綺麗に…、歪めて笑った。
なんか嫌な予感がする。


『噂の「名字さんの彼氏」の月島でーす』
『へーあの噂のー…ん?』
『…え?』
『あ?』
『け、けけけけい!』
『なに、高校教えたら解禁なんデショ』

優しい(作り)笑顔を浮かべる彼の顔には、「お前が先に宣言したんじゃないか」と書いてあった。
ううう、やっぱりばれてました!
そう、だから私…会いたくてたまらなかったけど今じゃなくて良いなって、思ったんデス。


『名字…?』
『ち、違うんです違うんです!』
『…なにが違うの』
『つ、付き合ってるのは…ほんとうですけど!』

手をぶんぶんと振って言葉を必死に探す。
私たちが付き合い始めたのは二年くらい前から。
つまり私は高校一年生で蛍は中学二年生。
蛍は義務教育中だった訳です。
ついこの間までランドセルを背負っていた訳です!


『ショタコンじゃないです!』


必死に弁明した私の言葉を、アイツ等はあー、うん。で済ませやがりました。






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『それを言うならツッキーがロリコッ…ごめんなさい!!』


私と蛍が見たら忠君は泣きながら謝った。







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20140523



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