君と僕とエトセトラ


(( 何 で 居 る ! !))





『終わったぁっ!』
『おー名字お疲れ』
『すみません片付けは後でしますからちょっと部に顔出してきます!』
『あー、いいぞ。後は俺がやっとくから』
『えっ会長…』
『澤村がぼやいてんの聞いた。なんか一年が面白いらしいじゃねーか』
『そうなのです!今日入部のテスト試合らしくて!』

ちょっと疲れたように会長は笑って、良いから行ってこいと背中を押された。
今日はお言葉に甘えさせてもらおう。

『すみません!ありがとうございます!』
『おう、お疲れ…』


会長やっさしい!と荷物を抱えて校舎を走る。じ、時間的に終わってそうですが…とにかく走った。

体育館に着く頃には息も絶え絶えで、マネージャーとは言え運動部がこんなことで良いんだろうか。なんて思ったけどとりあえず考えるのは後です!今は!試合!

『遅くっなり、ましひゃ!』
『名字ー!!?』
『名前サンー!!』

あ、思っていたよりやばかったみたいです。
ふらついてしまって駆け寄ってきてくれた菅原君と田中君に支えられます。
呼吸を整えて、大丈夫ですと言いコートを見るとやはり試合は終わってしまったみたいで。
結果は…?向こうの方に居る日向君とばちっと目が合いました。その瞬間ぱぁっと花が咲いたみたいな笑顔。
…どうやら心配は要らなかった様です。


『名字先輩っ』
『わ、日向君!』
『おれ!勝ちました!!』


ぴょんぴょん跳ねる日向君は、にぃっと笑って拳を出した。
私もソレに自分のを合わせる。


『へへっ!先輩のこれ、ちょー効きました!』
『!日向お前名前さんと試合前に会ったのか!』
『はい!』
『ほー、それはラッキーだったな日向』
『今名字忙しくて全然会えねーからなぁ…』
『マジっすか!』
『そうだぞ!宝くじで一等当選した確率に等しい!』
『田中君言い過ぎです』


すぐそうやって話を大げさにするんですから!

話していると、縁下君達と一緒に黒髪の子が近づいてきた。
わき腹さすってますけど、縁下君ったら暴力はいけませんよ?言いませんけど。
澤村君が黒髪の子を見て、そうだったと慌てて紹介した。


『日向…は、知ってるんだっけ?』
『はい。日向翔陽君ですね』
『こっちは影山だ』
『影山飛雄っす』
『三年マネージャーの名字名前です』
『……ハイ』

すごく上から睨まれていますが、何なんでしょう。あ、もしかして今メンチ切られてます??


『名字その顔ヤメロ』
『えっ?』
『目が笑ってないから』
『えっ?』
『影山別に喧嘩売ってる訳じゃ無いと思うよ多分』
『あ、そうなんですか?』


どうやらこれが彼の通常らしいです。
それでこっちがー、澤村君が逆の方を向いたので私も一緒に回れ右します。
そして、カチン。
まるでそう、ねじが切れた人形の様に固まってしまいました。

『月島と山口だ』
『ドォーモ』
『あはは…こんにちは』


頭の中でいろんな言葉が巡った後、砂時計が出てフリーズしたパソコン状態です。
二人が自己紹介ではなく挨拶をしたことに周りがあれ?と首を傾げた時、ようやく砂時計は消えて私は導き出した言葉を発しました。


『何で居る…!!』



それが精一杯でした。




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ようやく出会いましたすみません。
飛雄が脇腹痛めてたのは縁下君が攻撃したからです(3話の菅原参照)



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