君と僕とエトセトラ


((一緒にバレーしましょう!))





『いよいよ今日だな!』
『ハイ!絶対勝ちます!』


昼休み、日向との最後の練習。
体育館前の渡り廊下でレシーブをしていると、名字がひょっこり現れて心臓が跳ねた。

『菅原君!丁度良かった!』
『名字、』
『?』
『サッカー部の松野くんって何組か分かりますか?』
『へ?あ、松野は確か一組だよ』
『一組でしたか!ありがとうございます!』
『あ、名字』

数枚の紙を確認してメモする彼女と俺とを交互に見る日向が、目で誰ですかと訴えかけてくる。
そうだ、日向は清水しか会ったこと無かったな。


『お前ラッキーだなー、日向』
『え?』
『ひなた…?ああ、ではこの子が新入部員の』
『ひ、日向翔陽です!』
『初めまして、三年マネの名字名前です』
『さ、三年生…!?ぐぇっ』


日向が余計な事を口走る前に横腹を突く。
名字は怒らせると怖いからな。


『ほう…?』
『すみません一年なので流していただけませんかネ』
『次は有りませんよ日向クン』

良かったな日向、とりあえず頭突きは回避したぞと既に俺に突かれた横腹が痛いらしく涙目になる日向に優しく微笑みかける。
はははっ脳天割られるよりマシだべ?


『今日、日向君達試合ですよね?頑張って下さいね』
『あ、あざーっす!』
『て、名字来れそう?』
『今必死に頑張ってます…』
『?』
『あ、彼女生徒会役員なんだよ』
『へー!』
『何とか終わらせて出来るだけ早く向かいますから!』

すっと名字が拳を作って前に出す。
日向がキョトンとして俺を見るから、苦笑いで俺も拳を作って併せて、とジェスチャーした。

『??』
『勝って、一緒にバレーしましょう!日向君!』
『は、はいっ!』

こつん、と当てられた日向の拳。
名字は少し照れくさそうに笑うと校舎へと戻っていった。


『良かったなー日向』
『は、はい?』
『偶然とは言え、名字と会って拳合わせたから今日勝つかもよ』
『?』
『彼女、小さな運を分けてくれるからね』
『??』
『…前、部員が5回くらい連続でガリ○リ君当たり引いたこと有るんだよ』
『マジっすか!あ、だからラッキーって…?』
『そう』


だから今日の試合、運は日向に向いたかもね?








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我ながら要らない設定だなと思いつつ←

最近カードパック買ってないからか、私の運がアイスの当たり棒へと向けられている。



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