つきしまくんとちいさいせんぱい2 →三年主/マネージャー つきしまくんとちいさいせんぱい続き 彼との身長差40センチ 一緒に歩いていたら恋人ではなく兄妹に間違えられる確率はほぼ100%で、さらにその後一緒に間違われた本人からからかわれる確率も同率である。 同級生で同じマネージャーの清水潔子曰く「可愛いから名前はそのままで良いと思う」とのことですが、私はね、もっとこう…、 『大人になりたいな…』 『は…?』 『うん?』 休憩時間。眼鏡を外して汗を拭くつきしまくんを下から眺めていたらつい思っていたモノがもれた。 私は4月生まれでもう既に18歳、彼はまだ15歳。なのにこんなにも、私たちの見た目はちぐはぐで。 ちぐはぐ、って言うか私も潔子みたいな美人だったら、つきしまくんの隣に居てもおかしくないのになって思った。 つきしまくんは眉間にしわを寄せる。 『名前せんぱぁい?まだ昼ですよー』 『えっ、もう夕方だけど…、』 『そうじゃなくて』 『はい?』 首を傾げたらハァーと長いため息を吐かれてしまった。ああ、こんなつもりじゃなかったのに。 潔子だったらどんな回答をしただろうか。 きっと彼の望む回答に近い言葉が出てくるに違いない。 『大人って何、名前先輩この前誕生日来たデショ』 『う、うん来たけど…』 『?』 あああつきしまくんすごく不機嫌な顔に…! でも、だって私!何て言ったら良いのか分からないんだもん! わたわたしていたら練習再開する号令がかかる。 つきしまくんは不満そうな顔をしたまま私にタオルを投げた。 『わ、』 『…あのさぁ、』 『ん、…ん?』 『あんま置いてかれても困るんだよね』 『え、』 それだけ言って、彼は練習に戻っていった。 表情は見えなかったけど、多分、うん。恐らく。これは彼なりの励ましなのかなって。 『つきしまくん…、』 …思うんだけど、よく分からない。 どう言う意味だろう。 ▽△▼△ 『大人になりたいな…』 休憩時間に突然何を言い出すのか本当にこの人は。と、思った後、すぐにそう言う意味じゃないと気付いて恥ずかしくなった。 からかっても意味伝わってないし。 『(僕だって健全な高校生なんだけど…)』 彼女との身長差40センチ。 自分に近ければ近いほど、首を曲げないと視界に入ってこない彼女。高校になってからと言うもの、このネタでからかうのは日常になってしまっている。 初めは半泣きで清水先輩に泣きついていたけど、最近は可愛げ無く足を踏んだり頭突きとかしてくるほんっと可愛くない(しかもかなりのイシアタマ。) 一応付き合ってるけど年は彼女が上、3年生。しかも4月の終わりに部内の3年の誰よりも早く18歳になってしまった。 見た目も身長も一番子供なのに。 『(面白くない…)』 僕を置いていかないで欲しい。 (つきしまくんとちいさいせんぱい2) はい。そうですね。 20140507 prev / next
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