白い王子様がやってきた!





▼音駒マネージャー/年上







背が高くて、色が白くて。
手足はすらっと長くて。



『わっ、』
『っ!あ、…』
『…は…灰羽君…っ!?えっと、Sorry,I did not look at the front…』
『えっ!何!?俺英語分からない!!』
『えっ』
『えっ』
『……日本語オッケー…?』
『むしろにほんごおんりー?』


子供みたいな笑顔が、可愛いと思った。









『名前さーん!』
『わっ、』


がばり、と後ろから抱きついてきたのは、今年バレー部に入ってきた一年生の灰羽リエーフ君。
バレーはまだ始めたばかりらしくまだまだ素人同然だけど、正直バレーセンスは抜群だと思う。
銀の髪とエメラルドグリーンの瞳、そして人懐っこい笑顔が特徴的だ。

見上げると後ろから覗き込まれるようにされて顔が火照る。
男の子に可笑しいかもしれないけど、リエーフ君は綺麗で直視出来ない。


『もう、灰羽君』
『リエーフで良いですって!』
『君は何度、抱きついてはいけませんと言えば分かってくれるのかな?』
『じゃあ、今からハグしますね!』
『そうじゃなくて、』

再び腕が回ってきて、ぎゅう、と抱きしめられる。
うう…、外国人からしたらハグとか普通かもしれないけど…純日本人の私からしたら顔から火が出るほどに恥ずかしい行為だ。

『は、灰羽く…』
『リエーフですって、』
『…っ』

これは、呼ぶまで放さないぞと言う脅しなんだろうか。
合宿始まって早々、大変な一年生に気に入られてしまった様だ。

『…り、』
『うん…?』
『…夜久さんに言いつけますよ!君がセクハラするって!』
『んな…っ!!!』

ががーん!ピシャァァア!
雷にでもうたれた様なリアクションを取り後ずさる彼は、いやはや本当に夜久さんの事は怖いらしい。
(前回黒尾さんで失敗したので今回夜久さんの名前を出させていただいた)(勝手にすみません)

『セクハラ、って…!』
『sexual harassmentです』
『無駄に良い発音…っ』
『それは、どうも』

言いつけられるのが嫌なのか、彼は何やら顎に手を添えて唸る。
そんなにスキンシップしたいんだろうか。
癖なのかもしれないけど、そんな会う度に抱きつかれてたら私の心臓が保たない。


『あのさ、』
『はい?』
『り、りえーふ君にとったら、ハグは挨拶かもしれないけど私は日本人なんですよ』
『はぁ、』
『だから、そう毎回ハグされたりすると…ドキドキしちゃうので』
『はい…えっドキドキするんですか名前さん!』
『え?うん、そりゃぁ…』
『やった!!』

悩んでいた表情から、スパイクが決まってよっしゃーて喜ぶ時みたいにガッツポーズして。
…やったって、なんですかこの子は。


『それ、脈アリって事ですよね!』
『え…?』
『俺、日本生まれの日本育ちなのでハグの習慣は無いです!』
『えっ』


どうしよう私が日本語分からない。
日本生まれの日本育ちなんだ?へぇ?
通りで日本語上手いと思った。
うん?…それって、つまり?

にぃっといたずらっ子みたいに笑った灰羽リエーフは、私の手を取り甲に唇を落とした。


『俺と恋しましょうよ、名前さん…』



【白い王子様がやってきた!】





『ややや!夜久さぁああんっ!!』
『がーん!!名前さん待って!!』






end




連載考えてたんですけど、続かなかったので。
リエーフ可愛いよねぇーい



犬猫。

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