『ひゃああぁあ!』
『うわぁぁああ!』
『朝からうるせーな…』

どたどたと階段を駆け下りてリビングへと向かう。
そこには朝食を済ませて出掛ける準備万端のみんなが居た。

『遊馬、遊来、いきなり寝坊かよ』
『うう…!もう!何で誰も起こしてくれないの!』
『中学生になったら一人で起きれるようにならなければならないから甘やかすなと、明里が言っていた』
『X!お姉ちゃんの言うこと真に受けちゃだめぇ!』
『それより遊来、いそがねぇと!』
『遅刻しちゃう!カイト、バイクで』
『甘えるな』
『うわぁんカイトのばかぁっ』
『もーいーから!走るぞ!』
『えっまってよ遊馬っ!』
『待ちなさい、遊馬、遊来』

走り出す遊馬に付いていこうと駆け出すと、Xがなにやら包みを出してきた。
これ、お弁当?
私と遊馬の分の?

『ありがとう!X!』
『それと、これは朝食だ』
『…!』

もう一つ、お弁当の上に包みが乗った。
この丸い形は…、

『デュエル飯だ。腹が減ってはデュエルが出来ないと、春さんが言っていたからな』
『おばぁちゃん…』
『さんきゅ、X!』


お弁当とデュエル飯を抱きしめて、私と遊馬は家を出る。
行ってきますと声を揃えて言ったら、いってらっしゃいとそれぞれ返ってきてなんだかくすぐったい。


『なんか、へんな感じ』
『だなー』

二人で笑い合っていると、横を鉄男がスケボーで駆け抜けた。


『遊馬!遊来!遅れるぞー!』
『鉄男っ!』
『いつも思うけど鉄男ずるいー!』
『走るぞ遊来!』
『うん!』

手を取り合って学校への道を駆け出す。
ぎゅ、と握られた手は太陽みたいにあったかくて。

『どうした?』
『え、うんん?別にー』
『?』

私、遊馬と二人なら何でも出来る気がするの!


『かっとビングだよ!遊馬!』
『あぁ!』












『でも遅刻はどうにもならないか…』
『…当たり前だろ』





end





遊馬お兄ちゃんすきすき遊来ちゃん。
まあお互い"兄""妹"って意識は無さそうだけど。




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