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※ベクターが真月にモヤモヤする話。












『しんげつ、』
『なまえさん…』

キスを強請るようにすり寄られて、思わず甘く声を出してしまった。
良かれと思って…、いつものせりふを合図に柔らかい唇を押し当てて。

なんども、なんども。














なまえとこーゆー事を始めて随分経った。
初めは、人間態で朝勃起しててびっくりして、なまえが面白がってイジってたら射精しちまった…みたいなそんな感じだったと思う。(決して無理矢理では無かった筈だ、……多分)

それで無駄に知識なんて付けた俺たちは、人間の真似事をしてみることにした。
どうやら俺たちバリアンも、人間になったらそれなりに腹は減り眠くなり…それと同時に性欲も溜まるらしく。
セックスの真似事をするのに抵抗も無く、その欲を理解するのにそう時間はかからなかった。


なまえは欲に忠実だった。


ヤりたい時は二つ返事で乗り、満足して眠くなったら無理だと言って勝手に寝る。
まぁ俺も似たようなモンだけどな。思い通りにならないのは腹が立つんだよ。
だから一回無理矢理して嫌がっても止めずに俺が満足するまでヤりまくったが…どうやらそれも楽しんだ様だった。
全く食えねえ奴だと俺でさえ感心しちまった。

なまえとは、お互い都合の良い相手である…くらいに思っていた。
人間態で雌はなまえしかいねぇってのもあるが、例えドルベやミザエルの奴が雌であっても俺はなまえを選んだと思う。



…こんな事を言うくらいには、俺もなまえを許しているんだと、最近気づいた。









『ベクター、風呂が沸いたぞ』
『うげぇっ…何だよこの風呂…』
『泡風呂だ。入るだけで身体が洗えるなら一石二鳥だろう』
『…そんなこと言って!なまえさんったら僕にえっちな事するつもりじゃないんですかぁ〜?』

もぉ!今までシてたのにぃ!なまえさんのえっちぃ!
と。真月零の甘えたボイスを態と出せば、なまえはかぁ、と赤くなった。


『ベクター…それ止めろ』
『お、う…』

思わず頷いちまったじゃねーか!
さっきまでヤりまくってたのは事実だけど…何でそんなに恥ずかしそうにしてるんだよ!?
最初から最後まで真月零でしてやったけどよ…あれは"お遊び"だ。
バリアンと人間とか、真月警部とバリアンとか、全部全部お遊び。
勿論なまえだって理解して…。


『ベクター?』
『あ゙ぁ?』
『どうした、流石のお前も疲れたんじゃないか?』

随分と真月零だったもんなと、クスクスと笑うなまえは見たことがない生き物に見えた。

そう、オンナだ。
まるでオンナみたいだ、今のなまえは。
反吐がでる。虫酸が走る。
何だその顔。
"俺"には向けねー癖に!


『ベクター?』
『疲れたとかぁ?だーれに言ってンのかなぁなまえは?』
『え…?』


なまえを抱えて泡だらけの浴槽に入った。うは、ヌルヌルじゃねーか。つか泡邪魔だなオイ。
抱えるなまえが離れないように後ろから羽交い締めにする。
なまえは戸惑いながらもされるがままになり、身体に指を這わせればビクリと肩を震わせた。


『べ、ベクター…』
『ぬるぬるするな』
『そ、そーゆー入浴剤だ…』
『へぇー?じゃぁこっちがぬるぬるするのも入浴剤かぁ?』
『っ、』

中指をなまえのナカに埋め込めむ。
入浴剤なのかなまえの体液なのかはしらねぇけど、すげぇぬめってるな。指をもう一本増やすか。

『ん、』
『は…すげー良い声出すなぁなまえちゃんよォー』
『は…そんなにカキマワしちゃ…っ』
『されたいんだろ?なまえは淫乱なバリアンだからな…』

いつぞやの"真月警部"で言った台詞。
声を低め耳元で囁くと、ナカがきゅう、っと指を絞める。
本当にコイツは…"真月零"が好きだな、


そう思ったら、何故だか胸の辺りがもやっとした。
胸くそ悪ぃ。
俺は指を引き抜いて、行為を中断する。


『…?』
『欲しかったら強請って見せろよ』

浴槽の縁に凭れてそう投げやりに言ってみた。なまえは突然不機嫌になった俺を一瞥すると、身体の向きを変えて俺と対面して跨る。

少し恥ずかしそうにするなまえは、俺に密着すると唇を押し当ててきた。
ふに、と触れ合うそれは柔らかくて、何度も何度も離れてはくっ付くを繰り返す。

そういやさっき、"真月"とシてたなと冷めた頭で考えながらこの行為を受け入れていた。
撫でる唇がもどかしくてなまえの下唇を甘く噛んでやる。
驚いたなまえが薄く口を開いたから舌を入れて…次は赤いその舌を撫でて、誘って、噛む。

ピクンと反応したなまえは一旦離れると、赤くなった顔で俺を見た。

『のぼせそうだ…』
『そうかよ、』
『だが、続きがしたい…』
『んー…』
『お前は…ベクターはシたくないのか…?』

ぬる、ぬる、と尻の柔らかい肉に俺の一物を挟んで緩く動く。
反応しちまうのが些か悔しいが、


『ベクター…』

私はお前が欲しいと、竿の先をその滑った穴に誘われてぷつりと何かが切れる音がした。
腰を掴んで一気にナカに埋める。
準備が出来ていなかったのか、なまえは嬌声を上げビクンビクンと身体を震わせてイった。
なんだよ入れただけでイくんじゃねーよと笑ってやりたかったが、なまえがベクターと俺を呼んで腰を動かすから。



『うるせえよ、』


そう呟いて口を塞いでやった。




(案外俺も単純で簡単だ。)






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真月にもやもやするベクターとか。

今ちょっと思ったんだが、べくたん分身の術使えるよな…?
ベクと真月とでさんぴっゲフンゲフン


ゲフンゲフンゲフ…ッ

5/6

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