よからぬ事をしてみるか?









『邪魔だな…』



私の言葉に、ドルベは噎せてミザエルは呆れ、アリトとギラグは鼻から赤い液体を流した。
バリアンも人間態になると血は赤いらしい。







『どうした、みんな』
『い、いや…』

人間の姿のお披露目会と言うか、アッチの世界に行く準備としてとりあえず制服を着てみることにした。
先にあちら側へ潜入している二人に姿を見せてもらえば、アリトはなかなか似合っていて、ギラグはなんか色々装飾付いてるけど…まぁ問題無いんだろう(似合っていれば良いのか?知らないが)とにもかくにも、渡された制服に袖を通してみる。
はて、どうしたことか。


『ドルベ…』
『…』
『ド・ル・ベ』
『な、何だ…』
『服が入らない。前が閉まらない』

人間態になって出来た二つの塊。
アリトやギラグには無いのに何故か私だけに存在するソレは、硬いのかと思えば驚くほど柔らかく動けば揺れるし服には収まらないし…正直何故こんなものが存在するのか分からない。
何かの役に立ちそうにも無いしな。

少し苛立ちながらも、きっとドルベなら何とかしてくれると言う妙な期待感に彼に詰め寄れば顔を逸らされた。思い切り。

『何故顔を逸らす…もしかして、こーゆーものなのか?』
『ち、違ぇ!』
『何だアリト』
『とりあえずマント羽織れ!』
『?』


脱いだばかりのマントを再び羽織らされ、身体を隠される。
アリト、顔が真っ赤だぞと言えば煩いと怒鳴られた。…何なんだ此奴は。



『名前はあちらでサイズが合う服を自分で調達して来い』
『ミザエル…私の扱いが適当じゃないか?』
『身体が入らんのでは仕方がないだろう』
『全く…人間とは不便なものだな…』

柔らかい双丘に触れてみる。
なかなか気持ちの良い柔らかさではあるが…


『なーにしてんのー?』

みんなで集まっちゃってさぁ?と、ウヒャヒャと相変わらず気色の悪い笑い声が聞こえたかと思ったら、後ろから羽交い締めにされた。


『ベクター…』
『あれー名前ちゃん人間の身体じゃーん』

どーりで柔らかいと思ったわーと、まるで"こう"なることが分かっていたかの様な反応だ。


『放せベクター。後、耳元で笑うな。不快だ』
『相変わらずつめてーなぁ名前ちゃんはぁーウヒャヒャ』
『貴様…、っ!?』
『ほーやわらけー』
『な、何を…』

後ろから抱きしめられたまま、マントの中にベクターの手が入り今まで邪魔だと思っていた二つの塊を鷲掴みにされた。
ベクターにしては優しく、肉に爪が食い込まない程度の強さで。
しかし、こんなものを触って何になる?
いい加減にしろと抵抗すれば、長い爪がソレの先端を掠めた。


『っん…っ』
『あー?』
『…?』
『何だ急に大人しくなってよー』
『わ、私にもわからな…あっやんっ』
『なかなか気持ちよさそうじゃねーかァ』

ゲスな笑いを浮かべながら、ベクターは先端を摘んでいじりだした。
私は、びりり、と身体が電気でも流れたみたいに疼き、思うように力が入らなくて。
ベクターが触れる度、口からは変な声が漏れた。


『べ、べく、た…』
『ヒヒッ…イイコト教えてやろーかァ』
『…?』
『人間世界では生殖行為つーモンが有ってだな…』

ソレがたまらなく気持ちが良いらしいぜぇ。

耳元で囁かれてゾワリとした。
私は人間世界についての知識は無い。
全くの無知だ。
(此奴がなぜ詳しいのかは分からないし知りたくもない。)
だが、一つだけ分かった事がある。


これはきっと"よからぬこと"だ。


『っだから…耳元で喋るな死ねベクター!』
『ふげっ』

油断していたらしい、私の肘は見事に鳩尾に入ったようだ。
まぁ、人間態の私の力なんて大した事無いだろうけど。
捕まらない内にドルベの元へと逃げ込む。

アリトとギラグがばつが悪そうに前屈みになっていることから、ドルベも今のが"よからぬこと"と思った様だ。


『ベクター、いい加減にしろ』
『死ね…』
『ウヒャヒャッ!かっわいーねぇー名前ちゃんはーッヒャッヒャッ!!』


腹を抱えて笑うベクターに心底イラっとしたのか、今まで黙っていたミザエルがベクターを蹴って追い出した。




―後日。
人間世界で"よからぬこと"の存在を知った私は、吐き気と眩暈に襲われた。
アリトやギラグの反応を理解し、恐らく勤勉なドルベは知識を持っていたのだろう…それが"恥ずかしい行為"と知っていたのだろうなと悟った。

やっぱりベクター、アイツ死ねばいい。









――――――――
バリアンが好き(><)!!←
みんな仲良くてすみません。
バリアン世界も人間世界も平和なら幸せだよアリトもギラグも早く目を覚まして(涙)
おのれベクター絶対許さん。

因みに人間世界について、ドルベは何となく勉強してる。ミザエルは無知だと嬉しい。



正直アニメちまちまだから世界観分かってないです。
すみません。てへぺろ。



犬猫

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