南沢さんをナンパする話












*みんな大学生になったよ!なオマケ続編。
 一緒に住んでますが、みんな学校は
 バラバラです。









『名前ー今日暇?』
『何?』
『合コン有るんだけど来てくれない?アンタ彼氏居ないでしょ?』

このとーり!と手を合わせて友達に拝まれる。
けれど、生憎今日は予定があったりして。


『ごめん、今日買い物の約束有るから…』
『なんとかならない?』
『む、無理だよ…唯でさえ向こうは部活有って予定合わないんだから』
『えーそこをなんとかーっ!』
『それに、合コンなんて言ったら小一時間は説教食らいそう…』
『え?…まさか彼氏?』
『彼氏、じゃなくて…先輩』
『ナニソレ、』


説教って言うか、こんな男はダメだとかあーだこーだ言った後、終いには俺にサッカーで勝てる奴しか許さんとか言い出す元雷門のFW2TOP。

二人とも格好いいのに彼女作んないし、私も何かそーゆー気分になれないしで今まで全部突っぱねてきたけれど。

『(改めて考えたら、これで良いのか疑問)』

門までの道のりを、お願いお願い言われながら歩いていたら女子大生がこれで良いのかって気分になってきて、私もそろそろヤバいんじゃないかと考え出した。
どうしよう、合コンとかちょろっとでも行った方が良いんじゃないか?(南沢さんは付き合いとか言って行ってたし)私だって花の女子大生なのに。と、考え出した時、門にきゃいきゃい言う女子の人だかりが居て何の騒ぎかと友達と見たら視線の先には南沢さんが居た。
女の子達に話しかけられてにこやかに返し、その女の子達はしょんぼりしながら過ぎていく。
多分誘われてるんだろうなぁ、モテ沢めっ


『何あれ…うわ、格好いい』
『誘われてるね』
『無理でしょ〜、彼女待ってんじゃない?』

流れてく女の子たちを見ながら友達は呆れたように笑った。
私は私で、私をわざわざ学校まで迎えに来て待ってくれてる南沢さんを見たら、やっぱり合コンとか行く気になれなくて。

『…ね、私が彼を誘ってOKだったら合コン行かなくても良い?』
『何それ、可愛くても無謀すぎるよ名前』
『誘ってみる』
『つか、アンタ買い物は?』
『良いから良いから。イケメンナンパにチャレンジー』

じゃあねと手を拭って、門に近づく。
待機してるより散った女の子達の方が多い、今がチャンスだ。

『おにーさん、誰か待ってるの?私とお茶しない?』

何ともいえない誘い文句。
昔の売れてない漫画の台詞みたいで、聞いてたらしい周りの人は小さく笑った。
南沢さんは私を見てキョトリとした後、苦笑して何だソレとあきれた声を出す。


『駅前のカフェのショートケーキは絶品ですよ』
『俺に奢れって?』
『ひとくちあげるから』
『へぇ?それは…なかなか面白い誘い文句だな』

クスリと笑った南沢さんは、じゃあいこうかと手を出した。
私はソレを掴んで彼の隣に並ぶ。
後ろで悲鳴が上がった気がするけど、まぁ、いいや。


『相変わらずモテモテですねモテ沢先輩』
『何だ、ヤキモチか。そんな心配しなくても俺は名前一筋だよ』
『ぶっはっ!』

この人今年二十歳なのに。
相変わらず優男であっまい言葉は口から砂糖がでそうで。
そして、相変わらず私に甘くて。

『そんな南沢さんがすき、』
『…何だよ、改まって』
『べつに!まだ彼氏は良いかなーって思っただけです!』
『彼氏とか変なの連れてくるなよ、頼むから』


心底ウンザリした顔をされた。
私が笑ったら、ブーブーとケータイのバイブが鳴るから見てみたら友達からメールがきていて。


『"謀ったな"?』
『何が?』
『"彼氏いるんなら今度紹介しなさい"だって』
『誰が彼氏?あ、俺?』
『でしょうね、あら、勘違いされちゃったー』
『…別にいいけど、悪い虫が付かなくて』
『南沢さん…そんな事言ったら私一生彼氏できないじゃん』
『その時は俺が責任持って養ってやるよ』
『むぅ、だったらちゃーんと結婚してくださいよ?私純白のウエディングドレス着たいんですからね!』
『そうだな…倉間の許しがでたらな』
『うっわ…最低押し切ってよそれくらい』
『うそうそ。名前が着たいなら純白だろうが真紅だろうが何着でも着たらいいよ』
『本当?』
『名前は色が白いから何でも似合うだろうな』
『子供は二人欲しいな』
『男と女の子、一人ずつかなぁ、』
『可愛いだろうなぁ…』
『俺たちの子供だぞ、絶対可愛いって』






『…で、老後まで妄想して二人で遅刻ですかーへー』
『ご、ごめんね倉間』
『もう二人で行けよ、買い物!』
『だから悪かったって』
『コーヒーおかわりしまくって店員にチラチラ見られる俺の気持ちを考えろ』
『私のケーキあげるから許して』
『俺のもやるから許して』
『もう待ってる間に三つは食ったわ!』




【倉間君と南沢さんと仲良く暮らす話+01】






『はい、倉間あーん』
『良いよあーんとか無いわ』
『じゃあ南沢さんあーん』
『あーん』
『おいやめろ、バカップルに待ちぼうけ食らった可哀想な男になるだろ俺が!』




店員が凄く哀れむような目で俺をみていた。




end




南沢さんに迎えにきてもらいたい。

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