episode:04






『吉良名前です。よろしくおねがいします』

転校してきた彼女は、まさかの同じクラスだった。


『神童君、霧野君、よろしく』
『よろしくな、』
『つーかお前名字…』
『家族会議で「吉良」に決まったんだ』


ケタケタ笑う名前に俺たちが首を傾げると、彼女は自分の生い立ちを軽く話した。
どうやら彼女は、お日様園と言う児童養護施設で育ったらしい。
戸惑う俺たちに名前はそんなに暗くならないで、と微笑む。


『そうだ、二人とも暇な時で良いからさ、校舎案内してもらえないかな?』
『ああ、いいぜ』
『なら、昼休みが良いな』

ありがとう、と彼女はまた可愛らしく笑った。
チラチラとクラスのみんなが彼女を見ている。
真っ直ぐにこちらへ来たから話しかけづらく、気になるんだろう。

直ぐに1限目が始まったから話はそれで途切れたが、案の定、彼女は2限目からクラスメイトに質問攻めにされていた。









 ▼


『浜野君ー倉間君ー速水君ー』
『あ、名前じゃん!』
『どうも…』
『お前神童達と同じクラスだったんだな』

隣のクラスに行けば、三人は出てきて彼女に口々に挨拶をした。
彼女が現れた瞬間、教室がざわついたのは言うまでもない。

『しっかしお前…昨日も思ったけど、白っ』
『倉間君が黒いんだよ』
『んだとコラ』
『見てみて!俺と倉間と並んだら際立つ白さ!』
『浜野…』

彼女を自分と倉間との間に挟み顔を並べたらそれは一際目立って。
霧野が呆れて浜野を見た。

『女の子に対して失礼じゃないか』
『霧野紳士〜』
『昨日初めて男に見られて嬉しかったんだよなー霧野』
『なっお前等なぁ!』

からかわれて怒る霧野を後目に、浜野は何で分かったのと名前に聞く。
名前は苦笑いして前科があるからねと言った。


『お兄ちゃんの一人にすごく可愛い人が居てね…霧野君くらいの髪の長さでポニーテールにしてたんだ』
『へー』
『その時の私は小さかったから…ずっと、お姉ちゃんって呼んでたの』

なんとも、可哀想なお兄さんだ。
因みに、と彼女は序でにしては大きすぎる爆弾発言をした。

『風丸君の事も、初めはお姉ちゃんって呼んでたなぁ…』
『か、風丸って』
『霧野君知ってるでしょ?この間風丸君に会った時"DFでいい子見つけた"って言ってたよ』
『マジか!?』
『うん、』
『つーかお前…風丸さんと知り合いなのか!?』
『知り合いって言うか…あれ?皆円堂君から聞いてない??』
『何を、』
『私のお義兄ちゃん、基山ヒロトなんだよ』
『基山ヒロトって…元イナズマジャパンの!?』
『うん』
『そうだ!誰かに似てると思ったら!基山ヒロトさんか!』
『まぁ、うん血は繋がってないけどね』
『あり?』

一瞬、彼女が陰を落としたけれど、直ぐに元に戻った。何やら深い事情が有りそうだ。

察した様に、予鈴が鳴った。

『早いなぁもうお昼終わりかぁ、』
『先に校舎回ったからな』
『いーじゃん、部活一緒なんだし』
『だな。また部活でな』

倉間達は口々にそう言い教室へ入った。
少なからず、皆彼女に興味が湧いた様だ。
今度は部活で質問攻めにあうんだろうなと、俺は一人複雑な気持ちで。


『戻るか』
『おう』

霧野が相づちを打つと、名前もうん、と頷いた。







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因みにお姉ちゃんリスト。
リュウジお姉ちゃん
風丸お姉ちゃん
照美お姉ちゃん
佐久間お姉ちゃん

です。
ウルビダがオトコマエで格好いいからぶっちゃけ吹雪とか見たら、ん?女の子?ってなりましたな過去が有ったとか無かったとか。

エイリアは元より、イナズマジャパン、ネオジャパンのメンバーとは基本仲良しさんです。




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