episode:11





『名前先輩も、ラーメン食べに行きませんか!?』

キラキラした瞳で、松風君と影山君、西園君に言われた。
どうやら円堂君の奢りで雷雷軒へと行くらしい。見たところ、部員全員みたいだけど…彼のお財布が心配だ。


『ごめんね、今日は駄目なんだ』


すごく行きたい。
誘ってくれて、本当に嬉しいんだ。
だけど
今日は週末…金曜日だから。












『残念です…』
『まぁそう言うな松風!次は来れるよな、名前?』
『うん、先に言ってくれたら大丈夫』

正門へと皆で向かう中、松風君達はしょんぼりとして。
今日はいつも行かない神童君が行くらしく、全員揃っての晩御飯、らしかった。
自分がそこへ"欠席"扱いになってるのが嬉しい反面申し訳ない。

『次は絶対行くよ、約束するから』
『ほんとですか!』

松風君と西園君と指切りをしたら隣からガキが、と剣城君の呆れた声がした。私はいつもこれで約束してたから別に何とも思わないけど。


『(これは子供っぽいのだろうか…?)』



一年生達と話しながら歩いていくと、正門にスーツを着た銀髪の男の人が見えた。
あ、もう来てる早い。

長身且つ美形で、目立つその人物に皆が足を止めるから思わず苦笑いしてしまった。


『ガゼル!?』
『あ…円堂、か』

と言うかガゼルはよせ、ガゼルは。と少し恥ずかしそうに止めて、名前が世話になっている、と笑んだ。
おぉ、ガゼル…じゃないや。風介、大人だ。
晴矢なら噛みついてる気がする。
いや物理的にでも。



『風介、』
『あぁ、名前お帰り』
『待った?』
『いや、大丈夫だ』

時計を見たら6時を少し過ぎた所。
きっと治なら、円堂君に「時間厳守だ」とか長ったらしい話を始めるに違いない。
風介は私の頭を撫でて次に手を引いた。

『では、帰ろうか』
『うん』
『じゃあ円堂、』
『あぁ、またな涼野』
『また明日ね、円堂監督、みんな』

ばいばいと手を振って、路肩に停められた見るからに高級そうな車に乗り込む。
去り際にぽかんとした皆の顔が見えた。


『(そう言えばマサキは風介に会ったことないんだっけ?)』


マサキが来たときには既に風介は一人暮らしをして働いていたからね。

そう思ったらなんだか不思議な感じがした。

『(同じ園出身で、同じ"実家"なのに…)』


マサキは、ううん。これからの子達も。


『名前?』
『うん?』
『どうかした?』
『…』

運転する風介に何でもないよと笑ったら、今日は食べに行こうかと頭を撫でられた。





end






24風介に迎えに来ていただきたいですえぇ、是非←
ちなみに普通に普通な涼野さんでしたが、彼は24にもなっても思考は厨二病患者のそれだったら嬉しいです。←


(゚∀゚)

[戻る] [進む]




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -