暑さで溶けたらどうしよう
2023/07/29
【女の子と知的な翔くん】
『最近のストローって紙だからちょっと時間経つとシナシナになっちゃうから私苦手なんだよね…。』
手元のストローがへニョリと曲がっていた。
それを見ていた翔くんがストローを一本貰ってきてくれて手渡してくれる。
「最初に2本貰えば良いんじゃない?」
『2本で吸えってこと?』
貰った紙ストローを既に刺さっている横からぐにゃっと差し入れると眼の前の彼はぎょっと目を見開いた。
「なんで三本の矢みたいに考えんの!?換えの為に貰っておきなさいよってことでしょ!?」
『三本の矢だなんて翔くん知的だね。』
「そういう話ししてないんだけど…。」
2本刺されたストローをずぼぼと吸ってみる。
『三本の矢ならぬ二本のストロー。』
「やってみてどうよ」
『うーん…。うまく吸えない。』
「二兎追う者は一兎も得ず、だね」
『知的な翔くん。』
「そりゃどうも」