突然私宛に手紙が送られてきました。

送り主はナマエという少女で、度々変な行動をとる少女でしたので今度は何だと呆れながらも内心どんな予想外なことを仕出かすのかとワクワクしておりました。

手紙をナイフで開封して読み進めてましたが、途中でクシャクシャに丸めてゴミ箱へ放り込みました。
手紙は随分と書き直された後があって所々涙を溢したであろう後もあり元よりしわくちゃで、たぶん彼女は本気だったのでしょう。

それでも読むに値しませんでしたねぇ?
真面目に読むという行為が馬鹿馬鹿しく感じる文章を書くほうが悪いので、こんな手紙は捨てられても文句は言えないでしょう。

随分と可愛らしい真似を為さるものだ。

きっとこんな手紙を送りながらも、どう行動していいのか分からずに彼女はまだ自身の住まいに居るはず。
それぐらい決断力のない子ですから。いやぁ、実に扱いやすくて可愛らしい。

そして本当に馬鹿だ。私の元から離れようとするなんてとんでもないお馬鹿さんですねぇ。

心神喪失で虚ろな目で泣いているであろう彼女を早々に抱き締めに行かねばなりません!

私が優しく抱擁するとすぐにでも考えを改めるでしょう。

何処にも行かなくて良いんですよ。ナマエの居場所はここであってます。
いえ、何処にも行かせません。

だって繰り返される、どの事象の中でも貴方は結局私の元から離れられないのです。

ナマエは自分だけが執着していると思っているようですがそれは違います、彼女はまだ可愛らしい恋で終われるかもしれませんがこちらはそうも行かないんですよ。

私のは愛ですよ、愛。
それもとびっきりの重いやつです。

恋と呼ぶにはあまりにも重たい執着ですからきっと、愛が相応しいでしょう。
愛が何なのかはよく分かっておりませんが、私はこの感情を愛と呼ぶことにします。

2017/09/12
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