キミと居た夏C


今日もまた塾へと向かう颯汰は、もう先生の指に見惚れる事は無い。
授業中に見つめなくても、もう彼の指は颯汰のものだからだ。

「よく頑張ってるな、春日部。最近成績が上がってきたじゃないか」
「成績上がったらデートしてくれるって約束だからね。頑張ったんだから、ご褒美ちょうだい?」
誰も居なくなった教室で甘えた声で抱き付く颯汰に、啄むようなキスを繰り返す。
身体を重ねたあの後、改めて告白し合った二人は、あれから清い交際を続けている。
可愛い颯汰の身体を触りたいのが本音だけれど、俺は恋人である以前に、コイツの先生だから。恋愛にかまけて受験に失敗でもされたら、颯汰の両親に申し訳なさすぎる。

「頑張って勉強して、高校合格してくれよ?」
そうしたら遠慮なくお前を抱ける。欲望を胸の奥に隠して、颯汰の髪に俺はそっと口付けた。


★あとがき★
指フェチな子が受けだと身体を触られるたびに大変だろうなー、なんて考えから生まれた話でした。



2009/8/11





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