キミと居た夏A※


「せ…っ、先生をからかうんじゃないっ!」
真っ赤な顔をして慌てふためく先生は、なんて綺麗で可愛いんだろうか。指だけじゃなく、爪の先から髪の一本まで、全てが愛しい。
「からかってません。先生が綺麗すぎて、見惚れてしまって授業にならないんです」
先生の腕をぐっと引き寄せると、颯汰は今まで見つめるだけしか出来ずにいた先生の指に口付けた。
「この指が悪いんだ…」
そう言って指をペロッと舐めてやると、先生の身体がピクンと身じろぐ。

「……それは、本気か…?」
暫くして口を開いた先生の表情が、牡の顔付きに変わった気がする。
「こんな事、冗談で言えるわけないじゃんか」
そう返事をすると、ガタンと音を立てて俺は机の上に押し倒された。

「…ふ…んん…」
押し倒されたと思ったら、性急な口付けを受けた。先生の舌に唇を撫でられると、それだけで甘い声が漏れて、薄く開いた唇から先生の舌が侵入してくる。
「ンン…あああ…ッ」
歯列を撫でられ口腔を縦横無尽に舐められると、そこから甘美な疼きが生まれてくる。
更に首筋を指で撫でられた颯汰は、それだけで達してしまいそうな程の快感に襲われた。
「ゆび、ゃ…ハァ」
俺の身体を触っているのは、あの指なのだ。
そう実感すればする程、頭の中は真っ白になって。ただただ快感だけが身体を駆け巡る。

「春日部の事、ずっと可愛いと思ってた…一目惚れだったんだ」
「…ぁあ…ッ…!」
脇腹に手を這わされると共に耳元で思いもよらない告白を受けた颯汰は、一際大きく身体を震わせた。






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