私の恋人は悪い人。


「ヨシノ、今夜帰んないから」

「…いってらっしゃい」


女の元へいっている、というのに。
気づいたのはもう半年も前から。態度が変わったのはその辺り。引き止めない私は大馬鹿である。けれどね、もし引き止めて問い詰めたら、きっと彼は離れてしまうから

バタン、と冷たく閉じたドア
いつからこんな閉じる音が冷たく感じるのだろう。座り込んで泣いてしまったのは何回目だろう。

付き合ってもうすぐ2年になるというのに
違う香水をつけて帰ってくる彼。
なのに私を抱き締めて寝るのは何故?
離れたいのに、戻ってきてくれるから離れられない

甘いのはわかってる。だって私は彼を愛してるから。彼もきっと、私のことを想っているはずだ。

体を重ねても虚しくなるだけなのは何故?

他の女に触れた手で触られても、私が一番だから、って思っていたけれど最近耐えれないみたい。けど、求められたら拒めない。


私はだめな女ね。

涙が床に染み渡る

もうこの床は涙だらけ。



prev:next





×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -