泣き虫 ルナさん


トリップしてから1ヶ月くらいのお話。



ああ、ホームシック。たまに襲ってくる嫌な奴。来なくていいのに来てしまうのだ。夜、1人ベッドに籠って泣く。誰にも気づかれたくないし、迷惑もかけられない。


「ひっぐ、う…」


泣いてもどうかなる訳ではない。しかしずっと泣いている。あの温かさは味わえるものではない。両親の愛、親友の器の大きさ、簡単に忘れるわけがない。でも1人、そう考えたら止まらないのだ。

独りになりたくない

パジャマであるが、ドアを開けて出てみる。誰かいないかな…誰でもいいからそばにいてほしい、寂しくて死にそうだ。


「あらら、ナマエちゃん寝てなかったの?」

「クザンさんっ、」

「今日は積極的じゃないの。よしよし、大丈夫だからね」


クザンさんがドアを開けるとすぐ右にいた。思わず走って抱きついてしまう。寂しい、寂しい。温かくてまた泣いてしまいそうだ。慰めてくれる時にいつも頭を撫でてくれる。それに安心感を覚えるのだ。

「うー…ぐす、寂しいです…」

「おっと可愛いこと言うね、お持ち帰りしちゃうよ?」

「してくださいよ…」

「…ナマエちゃん、もっと危機感ってものを持とうか」

「だっで、独りは嫌でず、もん」

「おれと寝よっか。ほらおいで」

「クザンさん、優しい」

「ほら、おんぶしてあげる」

「はい…」


おんぶしてもらい、背中が広くて安心してしまう。なんで氷なのに温かいかもわからず。そのまま背中で意識が飛んでしまった。

次の日、私が部屋にいないと大騒ぎになりセンゴクさんのお怒りを受けたクザンさんでした。

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