親友のユリと毎日楽しい
学校行って、放課後カラオケやご飯に行って。けれどユリには彼氏がいるから、たまに1人で帰って本屋に寄ったりカフェに行ったり。
充実していた、日々の中。
何故かぽっかり穴が空いたと最近感じる


教室で昼休みに机を合わせて、二人でご飯を食べていた時、ユリが鋭いので聞いてきた


「ねえ、リンゴ。何かあったの?」

「え!うーん、何か表現しにくいんだけど。充実してるのに足りないんだ」

「もしかして〜彼氏!?」

「ちょっと、ユリ!声が大きいんだけど…!」


クラスの人気者のユリが大声出しているので、周りの人達は振り返る。あたしは恥ずかしくて顔が真っ赤になった


「あはは!ごめんごめん!…それで何が足りないの?」

「もう…やっぱり運命の人かなァ」

「ぷふっ!運命の人だなんて大袈裟ね。けどリンゴは男の子と話せないからねェ」

「だ、だって!人種が違うし」

「あの三組のサッカー部の子とかどうよ!」


そんなことを言われても。好きという感情がわからないし、どう接していいのかもわからない。


「ごめん、興味ないや」

「えー!あの子好青年で人気なのに」

「なんかピンと来ないし」


好きにならないと付き合う気はない。それに男の子とまともに話せないから。余計に無理だ


ドアを勢いよく開けたのはユリの彼氏で。近づきながら話しかけてくる。


「ユリー!今日一緒に帰ろうぜ!」

「ダーリン!帰る!部活終わるまで待っとくね!」

「あー、リンゴ!今日ユリ借りるな!」

「あ、はい…」

「あのさ、同じ部活の野郎を紹介しようと思うんだが来ていいか?」

「ええ…!えっと、その…無、理です」

「何でだよ!」

「こら、リンゴを苛めないの!ごめんね、それ断っといて」


本当にユリがいてくれて良かった。
あたし1人で会話できないし、他の女の子の前でも、どもってしまって苛々させてしまうし。唯一どもらないのは、ユリと家族だけである。


「リンゴは運命の人を探してるのよ」

「運命の人ォ?ならおれの運命の人はユリだな!」

「何言ってんのよ!ダーリン!」


そしていちゃいちゃ始める。いつもの光景なので慣れていた。彼の横にいるユリは本当に幸せそうで、可愛さが何倍も増す。いつか、あたしも恋人の隣で輝けるのだろうか。

「はァ、運命の人は何処にいるんだろうか」


それが異世界を飛び越えるなんて、想像もしていなかったけれど。



ある部屋に三大将が集まって会議し終わった後。クザンが戯れ言を言い始めた。


「はァ、何かビビッとくるような人はいないのかねェ」

「何を言うちょる。女なんぞいくらでも遊んどるくせに」

「遊びじゃないの。本気で愛せる人がいないかなァってね」

「クザンにしちゃ〜おもしろいこと言うねェ。わっしもまだ出会った事ないねェ」

「だよなァ。はァ〜いきなり現れないかな」

「ふざけた事を抜かしよる前に仕事しろ」



ある島の誰かは。

「ねェ、運命の人っているのかしら」

「さァな。お前じゃねェか?」

「うふふ、ドフラミンゴさまはお口が上手だわ」

「フフフ!…そんなもん信じてねェよ」


また、違う島での誰かは。

「運命なんざ、決まってるだろ」

「サー、じゃああなたは運命の人もいると思ってるのね?」

「…さあな」


CP9の養成所では。

「ねェ、私達の運命って決まってるのかしら」

「くだらん。考える前に強くなれ」

「ロマンがないわ。カクはどう思う?」

「わしはいる!将来美人でボインなお姉ちゃんと結婚するに決まっとる!」

「セクハラよ」

「バカヤロウ。そんなものにうつつ抜かしてる場合か」


海軍本部では

「スモーカー!おれ、運命の人見つけた!あいつしか愛せねェよ」

「デロか。なんだ?また好きな人できたのか」

「もう出会えたのも奇跡!運命としかいいようがねェ!告白してくる」

「若いな、お前は。運命の人、か」




運命の人は何処にいるんだろう。
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