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あいつが、海賊に攫われたじゃと?

エニエスロビーの長官室は任務以外の奴が集まり、無言に包まれる。この事が海軍に知られると、無理やりにでも引き戻されるじゃろう。そうなっては、わしが困る。ソファーに座っているルッチが一番落ち着きがなかった。皆もどうするべきか悩んでいるようじゃ。

重い空気の中、長官が口を開いた。


「この事を青雉大将に報告する。こちらのミスだ。あいつの無事が何より優先しないと、あいつ死んじまったら…!」

「長官、待ってください。報告すれば、あいつは海軍に行ってしまいます。それだけは避けたい。」


何故ルッチが引き止めるんじゃ。リンゴのことを鬱陶しいと思っとったのに。こっちにとってのメリットは事務をしてくれる。デメリットとして、この事が海軍に知られると、何らかの制裁が下されるかもしらん。そのことを危惧しているんじゃろうか。


「あいつが死んでもいいのか!?弱っちいやつが生き残れるとは思わねェ!」

「おれが取り返しにいきます。絶対に」.

「ルッチ、自分だけで何ができるというんじゃ。協力してもらわんと、すぐ見つからん」


ルッチは鋭くわしを見た。ルッチ、早く素直にならんからじゃ。迎えにも行かんと言ったのはお前じゃから。


「私も、あの子が心配よ。今ごろ震えて泣いてるんじゃないかしら。海軍にも協力してもらって、一刻も早くあの子を助け出さないと」

「そうだな、カリファ。あいつがここに戻ってこなくてもいいなら、そうするべきだ」

「ルッチ、あいつの事を大事にするのは構わん。だが、あいつが死んだら元も子もないぞ。」


長官が珍しく正論を言い、静まった。ここに戻ってこない、というのは辛いが、あいつが無事なら、会える可能性がある。胸が痛くなるが仕方ない。


「俺も探してくるぜ。ルッチと一緒ってのが気にくわねェけど。それ以外の奴等はいつも通り任務を遂行してくれ」

「ジャブラだけずるいのう。わしも行く」

「では、三人、リンゴを探し出せ。それ以外は任務をこなせ。わかったな?」


ルッチが納得いっていないが、仕方ない。たかが、あんな小娘にここまで毒されるとは、思いもしよらんかった。特にルッチ、大丈夫じゃろうか。暴れたりしないだろうか。


その頃の海軍では。

「は?リンゴちゃんが、海賊に?」

「どういうことじゃァ、今のは!」

「おォ〜、CP9も使えないねェ」

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