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「おおはようございます、」



毎日日課になった掃除
海兵さんに挨拶するのだが、やはり緊張する
だけど最近目が優しくなった気が。
まだ怖い人もいるが向こうから挨拶もしてくれている


「よーし、休憩!センゴクさんとガープさんとおつるさんにお茶をお運びしようっと!」


これも日課
お世話になっている人達にお茶やコーヒーを持っていく
最後にサカズキさんのところへ行って、お仕事を始めるパターンである


「今日はお煎餅新しいの入ってきてる、ガープさん喜ぶだろなー」


わくわくしながら扉を開けばなんと三大将まで揃っていて、驚いてお盆が傾いた
おお思い出す、あの気絶した時を…!
いやいや、今は皆優しいんだ


「みみなさん、お揃いで…」

「リンゴー!煎餅あるじゃろー!」

「ガープさん、今日新しいの入ってきたんですよ!あ、皆さんの分のコップ持ってきますから、少々お待ちください」


走って給仕室へ湯飲みを三個持ち戻る
ガープさんの修業のおかげで体力はついた
といってもまだ一般女子より上になっただけだ。
もっと頑張らないとな、と思いつつまた扉を開ければ重苦しい空気に満ちていた

何故だろう。
湯飲みに急須に入ってるお茶を注ぎ配る
ガープさんには煎餅で、他の人には茶菓子を置いた


「リンゴ」

「は、はい!なんでしょう…」

「今日は野蛮な奴らが来るんでな…あまり外には出ないように」

「修業も中止だね。あいつらが来たら邪魔しかねない」

「そうですか…残念です」

「おれ的にはリンゴちゃんは部屋にいたほうがいいと思う」

「わしも賛成じゃァ。何人来るか知らんが、用心に越したことはあるまい」

「ええ、あたし大丈夫ですよ…?逃げますし」

「不安だねェ〜」


誰が来るんだ。
あたしだと危ないのかな…


「顔はばれてんの?」

「外部には海軍が異世界人をかくまっている、だけだ。」

「なら、大丈夫か。いやけど一応」

「ででも部屋にいてもすることないし、掃除しときますよ!」

「あんまり入り口付近と会議室付近は来ない方がいいよォ」

「わかりました!み皆さんの邪魔にならないようにします…」


全員の心は一致していた、ガープを除いて。
必ず何かが起こる気がする。


___________


本部の窓拭き掃除を開始したのが1時、現在3時。
窓が多いためまだまだ終わりそうにない。
くそー、明日もかかりそうだなー

なんて考えていると廊下の向こうが騒がしい気がした


「ドフラミンゴ様!どこへ行かれるのですか!」

「あァ?異世界人に会いに行くに決まってんだろが」

「しかし本日は異世界人は出かけてまして、」

「フッフッフ!嘘つくんじゃねェよ!どうせあいつらがついた嘘だろ?そんな簡単に騙されるタマじゃねェ」



ドドフラミンゴ…!
今日は七武海が来る日だったのか、
ピンクのもふもふしたコートを揺らしながらこちらへやって来る
いやいや、あたしになんか目もくれないはずだ

窓拭き続行。


「ですからドフラミンゴ様!会議室はあちらで」

「指図すんなよ、海兵くん。別に異世界人に何かしようなんて思っちゃいないさ。一目見てェだけだ!フッフッフ!」



あたし目当てか、残念でした
こんな普通の人間が異世界人だなんて気づかない。
海兵さん達もドフラミンゴの扱いに困っている様子だ
こわいこわい。通り過ぎようとした時にぴたりと止まった

えええええ、もうなんだ、心臓に悪いからやめてくれ


「なァ、お嬢ちゃん」

「はっはいいい!なんでしょう!」

「異世界人ってどこにいるか知ってるか?」

「えーっとそれはですね」


後ろの海兵さん達を見ると一斉に首を振っている
そうか、あたしは隠さないといけないんだった
じりじりと寄ってくるドフラミンゴさんはこわくて仕方がない


「ここここわいです、知りません」

「フッフッフ!なら目を合わせな」

「ちち近づくのをやめていただければ…本当に、やめてください、ここわい。海兵さん!…あたしも海兵か。いえ、何にもないです、こわいです」


寄ってくるドフラミンゴさんから逃げようとすれば後ろには窓。
逃げられない。
何なんだ、この男の意図が読めなくて、わからない


「フッフッフ!!そんなにビビらなくてもいいじゃねェか?お兄さん、傷つくぜェ」

「ひい…!!」

「本当にお嬢ちゃんは海兵か?そんな風に見えないが」

「ああたしはこれでも海兵です、サカズキさんのお側で仕事してます」

「なら実力見せてもらおうか?フッフッフッ!震えてるぞ」

『ドフラミンゴさん、あたしが見えなくなって!』



これで透明人間。成功したのかわからないがキョロキョロと辺りを見渡している
股の間をぐぐって、逃げ出した
海兵さん達にはあたしの姿が見えている訳で。


「あたしが異世界人ということは内緒にしてください…!あんな怖い体験はもう充分ですから」

「フッフッフッ!!こりゃ驚いた!フッフッフッ!」

「こわいこわい…」

「まだお嬢ちゃんいるんだろォ?逃がさねェから待っときな!フッフッフッ!」



もう部屋から出ません。

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