あれから、サカズキ大将を見ると胸が疼いて仕方ない。こんなのらしくないなんて、わかってる。本日も仕事中、サカズキ大将と目が合って、逸らしてしまった。他の同僚も私の様子が変だと騒ついている。もう夕方で窓から夕陽が見えていた。
「おい」
肩がびくりと震え上がってしまう。サカズキ大将の目の前で仕事をしてるものの、声をかけられると、胸がきゅうと音が鳴るようだ。おかしい!私おかしくなっちゃったのかしら。
「何ですか、サカズキ大将。私と今夜共にしたいのかしら?」
「やかましい。仕事はまだ終わらんのか」
「もう終わりよ」
「この後付き合え」
サカズキ大将からの誘いなんて!珍しい!さっさと終わらせて化粧直しにトイレにいこう。今日も体交えるのかしら。サカズキ大将に提出し、鼻歌歌いながら、トイレへと向かった。
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夜中。体を交えた後、少し寝て目覚めてしまった。隣にはサカズキ大将。私の体を抱きしめて寝ている。ああ、胸が高鳴って仕方ない。どうして?どうしてこんなに胸がうるさいの。
顔を撫ぜる。こんな堅物、好きじゃないわ。だって疲れるもの。体だけの付き合いのほうが楽だわ。
でも体が勝手に動いた。ゆっくりと顔を近づけ、唇を重ねる。キスをするだけでも、こんなドキドキするなんて、私どうしちゃったの。
「ん、なんじゃァ。目が覚めたんか」
「起こしてごめんなさい。明日も早いし、寝ましょう」
また固い胸の中に入る。そんな抱き締められたら、照れるじゃない。サカズキ大将は寝ぼけながら、私の額にキスをした。顔が火照っているのが、わかる。
ああ、私サカズキ大将に恋しちゃったのかしら。