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ああ、母さん。何故ダリオと結婚したんだ。ディオ八歳、私十一歳。月日はあっという間に経つ。酒屋で母さんと共に切り盛りしていたが、母さんが倒れた。数時間も経たない内に亡くなってしまった。

ディオは素直で聡明な子に育っている。そんなディオは涙を流し続けている。私はずっと抱き締めていた。頑張りすぎていたんだ、母さんは。
部屋は悲しみの中、空気の読めないダリオは最低な発言をした。


「収入がなくなるじゃねェかッ!くそ、先に逝きやがって!酒も飲めやしねェ!」


こいつ、頭おかしいんじゃないのか。ディオが殴りかかろうとするのを抱き締めて止める。ディオは唇を噛んでそこから血が流れる。落ち着かせるように心音を聞かせた。フゥーッ、フゥーッと息が荒いのが落ち着いてくる。

その一方、母さんの前だというのに酒を飲み続けるクズ。ソファーに堂々と座って。

「いけない、怒りに任せて殴ってもディオの拳が汚れるだけだ。感情に左右されるとよくないし、私は愛しいディオを汚したくない。わかるね?」

「姉さんッ…!でもおれ、あいつを許せないッ!」

「ディオ。君は優しくて強い男だ。それをそのままダリオに向けると、強いとは言えない。力だけじゃあない。耐えることも強さだ。ほら、私が受け止めてあげる」

「うッ、うう…姉さん…」


さあ、これからどうしようか。


「あァ、ミヅキ!お前体売ってこい!ロリコン野郎には売れるかもしれねェぜ!」



ファッキュー。無視しておこう。
そのまま部屋を出る。ディオは落ち着いてきたのか、眠くなったようだ。その前にお風呂も一緒に入り、寝る準備をする。


「姉さんは僕が守るからね…」

「頼もしい、期待しているよ。ディオ、私は君の母であり、姉であり、親友だ。愛してるよ、お休み」


腕枕の中のディオは少し布団に隠れてこちらを見ている。きゅんと胸にきた。なんて可愛さだ!ディオ関係になると、どうも冷静でいれない。ぼそりと呟いたが、聞き取れなかったので耳を近づけた。


「姉さん…キスしてよ」

「ん?いくらでもしよう。」


最近キスされるのが恥ずかしいのか、たまにこう甘えてくる。親にも構ってもらえないのだから、当たり前か。額にちゅっと音を鳴らしてキスをする。恥ずかしそうに布団に潜った。ああ、愛しい。


でもお金、どうしようかな。



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