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面倒なことになった。ここはどこだ?周りを見ても薄暗い、人も卑しく笑っている。それはどうでもいい。
イギリス?なんだその国は。そばの道に通った男の話を聞くと、この子は捨てられたんじゃないか、と誘拐されそうになった。勿論やり返してやった。正当防衛だ。

どこかわからない場所に連れられて、しかも幼児体型。全く、年も若返っている。異世界だろうか。そうとしか考えれない。街にはハンター文字ではなく、見たこともない言語。話すのは大丈夫なのは何故か、考えても仕方のないこと。

ああ、懐かしき幼馴染がいれば楽だろうに。あの子は聡明であるから。


「衣食住はどうすればいいのか…全く面倒なことになった!思い出せ、何をしていたんだ私は…」

道の隅で頭を抱える。慌ててもいいことはない。ゆっくり深呼吸をした。いい空気とは言えないが、頭は冷えた。よし、考えよう。

確かクロロと一緒に図書館に行った。お互い別々で本を読み、私は本棚に気になるある本を手にした。その題名はなんだった。それがきっかけなのかもしれない。誰かの念能力かもしれない。憶測で話すしかないが。

んん、なんとかの奇妙な冒険…だったか?


あの本に理由があるのか。手にした瞬間光に包まれた気がする。あれは触れると発動する。遠隔操作ができるのか。戻れる、わけがないか。本体はあちらの世界だろうから。今はこの状況をどうにかしなければならない。この幼児でもやっていけるのか。頭が痛くなった。


「お嬢ちゃん、どうしたの?」

「えっと、お母さんに捨てられたの。多分ね」

「あら、喧嘩したのかしら?お迎えは来るの?」

「来ないよ、絶対。ああ、死んじゃうかも」


ごめんなさい、奥様。利用させてもらいます。生きる為だもの、心は痛むけれど、背に腹は変えられない。美人な奥様は苦笑いを零しながら私の手を取ってくれた。服は薄汚れていて、ところどころ破れているドレス。裕福ではないのだろう。子供を養うのは難しいのだろう。


「私、働くから。何でもできる。養子にいれてください」

「子供がそんなこと気にしないの。任せてちょうだい。あなたは大人みたいな目をしてるわ。大変だったのね」


年齢は三十路であなたより歳上だから。そう思ったが、子供らしく笑顔を浮かべた。



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