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時々簡単に恋に落ちる。女の子は愛すべきモノだ。でも初めて出会った時から愛して欲しいと思った。自分から話しかけるのが緊張するのも初めてで、何故か興奮している。見ていたら勃起しているなんて、青臭くて、ださい。今日のデートのためにきちんと服を選んできてよかった。横顔も美しい。鼓動が収まらない。女の子に悪いが、その場で帰ってもらい、きちんとキスをして帰したが、あの女の人しか目に入らない。男三人で一緒にいるが田舎臭い。俺の方が勝ってる。近寄り、手のひらにキスを落とす。手を触るのでさえ緊張してしまった。震えてないか、ああ、止まれ。勃ったものを抑えようにも抑えられない。
「あ、貴女のお名前は?」
「会えて嬉しいよ。私はミヅキだ。ジョセフ、パスタを投げようとするな。ストレイツォ、そのコップをどうするつもりだ」
「私の警戒すべき相手だと察知したからだ」
「やめなさい。スピードワゴンから聞いているだろう?波紋が使えるジョセフと元波紋使いのストレイツォだ」
「けッ!他の女といちゃいちゃした唇でミヅキさんの手にキスするなよ、気持ち悪ィ!ミヅキさん、俺がし直してあげる」
「ヤキモチか、可愛いジョセフ。イタリア人は当たり前なんだ」
「…私もする」
「ストレイツォまで。悪い子達じゃあない。私に懐いてくれているんだ。仲良くしてやってくれ」
男の間に挟まれて座っているミヅキさんのそれぞれの手首を二人の男が掴んで、キスを落とす。少し照れたように笑うミヅキさんが綺麗で、可愛くて、独り占めしたくなる。言葉で言えない高揚感。これが一目惚れというものか。何故この二人より早く出会えなかったのだろう、運命を呪ってしまう。ずっと立ち尽くす俺にミヅキさんはウェイターに椅子を用意させた。
「ほら、座りなさい。楽しく食事をしよう」
「あ、ああ。はい」
「なーに、照れちゃってんのォ。さっきまで女といたくせによ!」
「ジョセフも彼女を作ったらいいじゃないか?君は女の子に人気じゃないか」
「おれはミヅキさんと一緒にいるだけでいーのッ!ストレイツォも女作る気ないよねェ?」
「あるわけないだろう?私はミヅキに一生仕える」
「やめなさい。私は二人とも男として見ていないぞ?可愛い息子だ」
「ガーンッ!それは嫌だなァ」
「別に構わん。私が愛していたらいい」
この二人から、熱狂的に愛されている。俺も愛してくれるのか?拗ねたジョセフという男の頬にキスをすると、そいつはすっかり機嫌をよくする。単純な野郎だ。それに俺に勝ち誇ったような顔を見せてくるのが気に食わん。黙って食べるが、気を遣ったのかミヅキさんから話しかけてくれた。喜びで体が震える。
「彼女はいいのか?帰してしまったが」
「いいんです。きちんと愛していますから」
「君は優しいんだな。でも一人の女か?慣れているように見えるが」
「彼女はたくさんいますが…皆平等に接しています」
「キザ野郎」
「ストレイツォ。人それぞれだ。幸せならいいじゃないか。女を泣かせたらいけないぞ?」
「…俺、これから一人だけ愛することにしようかなと思います」
「それもいい。長年生きているが、恋人は一緒にいて落ち着く人がいいとアドバイスしておこう。結婚するなら、そんな人を薦める」
貴女と結婚したい。あァ、婚約指輪を明日買いに行こうか。細い指だから小さめのサイズを買おう。
「うっとりしやがってッ!気持ち悪ィ」
ジョセフ・ジョースターと仲良くできる気がしない。
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