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「女、おれと子作りしないか」
状況が理解できない。この血だらけの部屋は一体なんだ。気づけば裸の男に手の甲にキスをされていた。寝過ぎて逆に眠い。頭が働かない。あ、ジョセフがいる。欠伸をしていたら、ジョセフに抱きつかれていた。
「オーノーッ!ミヅキさんは渡さねェ!お前悪い奴だなッ!」
「優れた子孫を残せそうだ…邪魔するなら殺す」
「待て、君も子作りしたいのなら段階を踏みなさい。可愛いジョセフ、すまないな。帰れなくて。おやストレイツォもいるじゃないか。ん?二人とも怒ってるのか?」
「なんでなんでなんで!なんでミヅキさんはおれを置いて行ったのよォ!ミヅキさんなんか、ミヅキさんなんか、」
「許してくれ、可愛いジョセフよ。」
拗ねているジョセフの唇を防ぐ。顔を真っ赤にして黙った。なんて可愛い子なんだ。まずこの部屋の残骸を何とかしなければならない。ロストレコーディング。
「シュトロハイム、おはよう。君たちの部下は生き返らせた。逃がしたほうがいい」
「おお、神よ…!」
裸の男は不思議そうに見る。でもジョセフが隠した。目の前にはジョセフの顔。
「貴様は何だ、人間か?」
「ただの人間だ。ジョセフ、苦しい。腕を緩めてくれ」
「おれだけ見ておけばいいんだよッ!」
「いつもジョセフを見ているよ。…シールドラブ…これで1時間、ジョセフは無敵だ。あの男怒っている。なんだ、発情期か?」
「いつでも発情期だぜェ!おれは!」
「彼女作りなさい。ご加護があらんことを」
一時間、強制的に絶になるので戦闘には参加できない。ストレイツォは私の肩を抱いている。外には出られないから。そのままスピードワゴンのそばにいた。決着は案外すぐに着き、太陽の元へ行くとジョセフと石になった男しかいない。
「シュトロハイムは」
「あいつは…ッ、心中しようとして死んでしまった!嫌な奴だが誇り高い死だった」
「そうか。祈るとしよう」
遺言にローマへ迎えとのことだ。会ってまもなく亡くなってしまうとは。私のスタンドは一つの肉片もないと生き返らせることはできないのだ。
「ミヅキさんッ…」
「神じゃない。神じゃないんだ、シュトロハイム」
「泣かないでくれよォ…あいつは立派な男だ」
「泣く権利もないだろう?」
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