▼10

「愛しのジョセフ、スピードワゴンを知らないか」

「旅行に行ってるみたいだぜ?」


なんだか嫌な予感がする。何故だろう。職も持たず、ジョセフと遊んでばかりいる。最近スモーキーという少年とも知り合った。彼は黒人だからといって警察官に酷い事をされていたので、ジョセフと一緒に助けたのだ。

今日はエリナとジョセフ、スモーキーと食事に来たのだが、どうにも揉め事が多い。マフィアやも絡まれた。そのマフィアがおかしなことを言う。スピードワゴンが殺されたと。楽しい食事会が台無しだ。


「それが本当だという証拠はあるのか?」

「信じるかどうかはお前たち次第だ」

「エリナばあちゃんを悲しませやがって!」

「ジョセフ、何事にも暴力で解決しようとはするな。それか真実とは限らない。冷静に判断しなさい。スピードワゴンは簡単に死ぬような男ではない。生き延びていると信じている。それとチベットから来た修業僧とは誰だ」

「ストレイツォのことだ。スピードワゴンのじいさんと友人であるのに何故だッ…!」



何故殺害したのだろうか。メキシコで何があった。食事会はお開きとなる。エリナはジョセフの運命を心配していた。石仮面、というとディオが被って吸血鬼になった原因であるらしい。ディオ、ああ、可愛いディオ、ジョナサン。いつから狂ってしまったのだ?


「すまない、少し夜風に当たってくる」

「ミヅキさん…おれも着いていくッ!一人にさせない」

「愛しのジョセフ、君はエリナの側にいてやりなさい。私は平気だ」


玄関でジョセフに腕を引っ張られ、引き止められる。力が強い、そのまま抱き締められた。ジョナサンを思い出してしまう。心配してくれているのだ、可愛い子。


「おれッ、なにもできないけど…」

「ジョセフ、可愛いジョセフ。ありがとう。気持ちだけで嬉しいよ。昔のことを思い出しただけだ」

「それが心配だぜ…ミヅキさん、おれあんたを守りたい。キスしてやりてェ」

「ふふ、いつでもしてあげよう」


そっと唇を合わせる。ジョセフは顔を真っ赤にしながら顔を隠すのだが、隠し切れていない。愛くるしくて、たまらない。


「ジョセフ、愛してるよ」

「お、おれもだぜッ!」

「ほら、エリナのところへいきなさい」

「おう…絶対ェ、早く帰って来いよ!知らねェ奴には着いていかないこと!」

「ジョセフは私の母のようだ。早めに帰るとするよ。可愛いジョセフ、いってきます」


その夜、家へと帰れなかった。




back
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -