▼7

学校というのは面白い。様々な人種に出会える。本もたくさん置いてある。なんて素敵なところなんだ。本が好きなおかげで成績も上位に位置している。

放課後も図書館にいるのだが、私の隣には恋人がいる。先日告白されたので付き合った。クロロと似ていて、本が大好きな人だ。話もよく合う。親友的存在であったのだが、どうやら向こうはずっと好意を持っていたらしい。鈍感だ、と言われたのもクロロと変わらない。あァ、懐かしい。恋人はいつもクロロような人を選んでしまうのだ。

「今日君の家に行って挨拶したいんだけどいいかな?」

「構わないよ、私の弟達に騒がれても知らないけど」

「いいさ、君の自慢の家族が見たいだけだ」


恋人とは何もしていない。向こうもまだ早いと思っているみたいだ。愛しているのだけれど、まだ親友としてだから、踏み込めないのがわかっているのだろうか。


家に着くとジョースター卿が快く迎えてくれた。あの子達はまだ帰っていないみたいだ。ジョースター卿は彼のことを気に入ったみたいで、随分楽しそうだ。大事な一人娘だ、と言われた時、抱き着いたのは許してくれ。頭を撫でられ甘えてしまうのも許してくれ。それを彼が微笑ましく見守っていた。

紅茶を飲んで談笑しているとドアが開く音がする。どうやら二人仲良く帰ってきたみたいだ。ラグビーをしていたのだろう。


「ただいま!姉さん、今日もディオと活躍してきました!…あッ…」

「ただいま帰りました。姉さん、聞いてください…この方は?」


早速彼に気づいて警戒心を強める二人。そんなに警戒するものなのか。彼が立ち上がって、自己紹介をするものの、二人とも快く思っていないみたいだ。本当に姉離れができていないのだな。

もう一つのソファーに二人は座る。執事達がアイスティーを持ってくるものの、睨んでいた。


「私の恋人だ、頭もいい。勉強を教えてもらいなさい」

「いつから交際しているのですか?僕は何も知らないんですが」

「あァ、可愛いディオ。そんなに妬かなくてもいいだろう?」

「僕も聞いていませんでしたよ!そんな…姉さんに恋人だなんて…」

「ジョナサンまで。二人は私のことを心配してくれているんだ。彼は本当にいい人だ。大学で世話になっている」

「すまないね、この二人はミヅキを慕っているんだよ。睨むのをやめなさい。いい加減はミヅキ離れしないか」

「いえ、ミヅキが愛されているのを見て安心しました。将来も仲良くしてほしいです」

「ハン、もう結婚する気か?馴れ馴れしくしないでくれるかな」


ディオめ、強がっているのか。雰囲気が悪くなってきた、そろそろお暇しよう。立ち上がって恋人の手を掴む。

「私の部屋にいこうか。君の好きな本がたくさんある。読んでもらいたいんだ」

「姉さんッ!男と二人でなんてッ!」

「愛しのジョナサン、心配するな。彼は無理強いはしない。さァ、いこうか」


気まずそうにいる彼の手を引っ張り、部屋に案内する。部屋に行くと一息ついたのか、ため息を漏らしていた。とりあえずソファーに座らせる。その横に座った。


「君の弟達はどうしてあんなに君に固執するんだい?」

「愛しているからだろう。なんだ、君も妬いているのか」

「いや、違う。それにしても奇妙だ。まるで一人の女を愛しているかのようだ。」

「何を言っている。ただの姉離れができていない子供たちだ」

「君は鈍いからね。こちらからすると本当に君のこと愛しているかのようだ。ねェ、君家から出ないのか?」

「やめてくれ。それ以上言わないでくれ。私はこの家を愛している。離れるつもりはない。」

「いつか、襲われるに決まってる。あの目は本気だ。ねェ僕の目を見て」


獣の目をしている。なんだこいつは。私のことを犯す気だろう。わかっていて、キスを受け入れた。ソファーで組み敷かれて、熱烈なキスを浴びる。どうも年頃の男の子は難しいな。妬いているではないか。口内が彼の舌で犯される。上着を脱いでいた。ここでこの世界での処女を失うのか、ロマンがない。

前の世界ではもっと大事にされていたのに。


「脱げよ…ッ、早く…もう我慢できないんだ」

「こういうものは男が脱がすべきじゃないか?」

「君は慣れてるのか!あいつらに犯されたんだろう、もう。なァ、僕を見てよ。あいつらを見ないで、僕を見ろよ」

「おや、言葉遣いが荒くなったものだ。焦る必要はない。今は君しか見てないじゃないか…ッ」


服を脱がされていく。もう身につけるものは下着しかない。ずっと彼は私の体に跡を残して行く。これは苦労するだろうな。首筋にも胸にも太ももにも残していく。きっとクロロと比べていたのが気にくわなかったのだろう。それは申し訳ない。私には男はあいつしか知らないのだから。


「気色悪い弟達を忘れてくれよッ!」


あァ、やっていけない。


「すまないな。愛しい弟達を侮辱されるのはいけない。許せないんだ。帰ってくれないか」


突き放してみる。力はこの人よりあるのだ。念を舐めないでほしい。下着姿で向こうは半裸。あァ、なんとも笑える光景だ。向こうは驚いたのか、狼狽える。

「なんで、なんでなんだ!僕は君の恋人だろ!?何故あいつらを取るんだ!」

「愛しい人を侮辱されてまで、君を選ばない。帰ってくれ」

「クソ、犯してやるッ!僕は君だけでいいのに!なんでだ!」


その時ドアが開いた。あァ、いいタイミングだ。

ディオが彼を殴りにかかり、ジョナサンは上着を私に掛けてくれる。頼りがいがある子達だよ、本当。それにしてもディオは殴りすぎた。顔が変形してるではないか。


「ディオ、もういい。やりすぎだ。限度を知りなさい。ディオの手を汚したくない。こちらに来なさい」

「姉さんッ、僕はこいつが許せない!」

「ほらいい子だから」


床に片膝を着いてソファーに座る私の手を握る。空いている手でディオの頭を撫でた。ジョナサンも私の背中を撫でてくれる。騒がしくしたおかげで執事もジョースター卿まで集まった。


「何が起きたんだ?」

「こいつが姉さんを襲いました!姉さんは拒否したのに!ジョースター卿、申し訳ありません。殴ってしまったのはこの僕です」

「父さん、ディオは仕方なかったんだ!許してください」

「そうか…。君、もう二度とミヅキに近づかないでくれ。おい、外に出せ」

「待ってください。まず手当てを。こんな顔じゃいけない。ジョースター家は心優しい。私のためだからといって人道に反するのはよくない」

「なんて心の広いお嬢さまだ…」

「姉さんは優しすぎますッ!」

「私は怪我人を治すだけだ。救急箱と服をとってくれるか」


人を見る目がないのだろうか。それとも私が悪いのだろうか。弟を愛する故に嫉妬されてしまう。しばらく恋人はできなくていいかもしれない。この弟達に心配をかけるだけだ。


「愛してくれてありがとう。怪我をさせてすまない。君は親友だったよ」

「ミヅキッ…僕は愛してるよ、我慢できなくてごめんね」


しばらく勉強に専念するとしよう。


_________________

このヒロインはオリキャラまで、狂わせてしまうようです。
ディオとジョナサンは女として見てます。あ、わかりきってますか。
狂わせていくのが楽しくて仕方ないです。



back
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -