JK吸血鬼:中山チナツ
冴島大河の場合
学校の帰り道、血が吸いたくて仕方がなかった。いつも我慢しているんだもの。そろそろ標的見つけなきゃいけないわね。高校生の血よりもたまにはおじさんの血も吸いたいわ。
神室町を歩く。ヤクザが多いので、血の気も多い。ああ、誰にしようかしら。いつもと同じように、誘って差し出すまで待つ作戦をとる。
「あ、あの人がいいかも」
体も大きくて、血の気があって、まあまあの男前。近づくといい匂いがして、涎が溢れる。その人の背中をつつく。
「ん?なんや」
「お兄さん、今暇?」
「ああ、今帰るとこやけど。こないな女子高生ナンパされるって珍しいなぁ。ええで付き合うたるわ」
「本当?乗ってくれるの。じゃあカラオケ行きましょう」
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カラオケでお兄さんの横に座る。前座れやと言われたけれど、逃がさないから。曲入れようとするので、お兄さんの上に跨る。
「…お前体売っとんか」
「いや、逆。貴方の体が欲しいの」
「どういう意味やねん。…やめろ」
何も怖くないわ。服を脱がして行くと、余計にいい匂いが広がる。素敵な体だわ。上半身に顔を近づけてスリスリ動かす。たまんない。お兄さんも満更じゃないでしょ。
「私ね、吸血鬼なの。血が欲しいの。もう我慢できないから、協力してね」
「は、はぁ?ッ、いた」
予想以上に美味しい!じゅるりじゅるりと首筋から血を飲む。こんな血があるなんて、おじさんが鍛えたら血も締まるのね。貧血にならない程度で400ミリリットルくらい貰った。噛んだところから離して、口の周りについた血も舐める。
またお願いしようかしら。
「お兄さん、美味しかったわ。またお願いする、っきゃあ!」
「お前だけ何で満足してんねん。っちゅうか、何で吸われる時に気持ち良くなるねん。おかしいわ。それでお前だけ満足して帰るってどないや」
カラオケで押し倒される私。これまずいやつじゃない。冷や汗が出てくる。ああ、もう、なんで私が選ぶ人は性欲強い人ばっかりなんだろう。でもその方が美味しい血である率が高い。
「俺は冴島大河や」
「私は中山チナツ」
「おさまらんから、頼むなチナツ」
「もう、おじさんが盛らないでよ」
「まぁ気持ち良くしたるから」
終わった時に思ったことはおじさんを見下していたけれど、それをやめようと思った。普通にやられた。体力持たない。でも血は美味しいから、また相手してもらおうかしら。
「お前、高校生のくせに凄いわ」
お互いさまね。